
【神戸市東灘区】で仲介手数料無料で家を買う方法|相場・エリア・交通を公的データで解説
神戸市東灘区 専門 エリアガイド
神戸市東灘区で 仲介手数料無料 で家を買う方法。
3,000万円の物件なら 105万6,000円 おトク/仲介手数料の上限額との差
ネットに掲載されている神戸市東灘区の物件は、原則どこの会社の物件でも
買主様の仲介手数料0円でご購入いただけます。
神戸市東灘区で、仲介手数料無料(0円)で家を買うことはできますか?
できます。ネットに掲載されている神戸市東灘区の物件は、原則どこの会社が広告しているものでも、家タダを通してご購入いただければ買主様の仲介手数料は0円です。東灘区のマンションの成約中央値は2,900万円、戸建は4,750万円(直近4四半期・国土交通省 成約価格情報)。実際に成約している価格帯は1,900万円〜6,500万円(下位25%〜上位10%)で、この帯にかかる仲介手数料の上限額は69万3,000円〜221万1,000円。価格が上がるほど手数料も上がりますが、家タダならどの価格帯でも買主様は0円です。東灘区は兵庫県内40市区町村のなかで住宅地の平均価格が3位という高価格帯のエリアで、仲介手数料の絶対額そのものが大きくなる区です。
- 神戸市東灘区で実際に成約している価格帯は1,900万円〜6,500万円(下位25%〜上位10%・直近4四半期・国土交通省 成約価格情報。家タダ自身の成約実績ではありません)。この帯にかかる仲介手数料の上限額は69万3,000円〜221万1,000円で、家タダを通して買えばその全額が0円になります。3,000万円なら105万6,000円、4,200万円なら145万2,000円、6,500万円なら221万1,000円。高い物件ほど、0円にできる金額は大きくなります。
- なぜ0円にできるかというと、売主様側からのみ報酬をいただく「片手仲介」だからです。値引き交渉でも、キャンペーンでもありません。ネットに出ている神戸市東灘区の物件なら、原則どこの会社が広告しているものでもご紹介できます。ただし印紙代・登記費用・火災保険料・固定資産税の精算金などの実費は別途かかります。対象外になる物件もあります(詳しくは14章のFAQに正直に書いています)。
- 東灘区の住宅地の公示価格は1㎡あたり平均354,575円(33地点の単純平均・令和8年地価公示)。前年比+4.7%で、兵庫県内40市区町村のうち3位の水準です。
- 区内で最も高い標準地(御影郡家二丁目・695,000円/㎡)と最も安い標準地(住吉山手九丁目・96,000円/㎡)の差は7.2倍。同じ区のなかで土地の単価が7倍以上開いています。
- 同じ町名でも丁目で変わります。住吉山手は三丁目338,000円/㎡に対し九丁目96,000円/㎡で3.5倍、西岡本は五丁目453,000円/㎡に対し七丁目161,000円/㎡で2.8倍です。
- 住宅地33地点のうち前年比0.0%(横ばい)は4地点だけで、その4地点が安いほうから1位・2位・3位・4位とそのまま一致します。
- 令和8年地価公示の工業地5地点は前年比+14.1%(深江浜町+17.3%)。住宅地+4.7%の3倍の勢いです。5地点すべてが深江浜町・魚崎浜町・住吉浜町という「浜町」です。
- 神戸市は東灘区について「阪神・淡路大震災で行政区単位で最大の1,470人の死者を記録」と公式に記しています。森南第一・第二・第三で震災復興土地区画整理事業が施行されました。
01神戸市東灘区で仲介手数料が0円になる仕組み
売主様側からのみ報酬をいただく「片手仲介」
不動産の売買では、売主側と買主側それぞれに仲介会社が入ります。家タダは売主様側からの報酬だけで成立する形に 取引を組み立てるため、買主様からは仲介手数料をいただきません。宅地建物取引業法第46条にもとづく報酬額告示 (昭和45年建設省告示第1552号)は報酬の上限を定めたもので、下限の定めはありません。
神戸市東灘区の価格帯で、いくら得になるか
神戸市東灘区の住宅地は1㎡あたり平均354,575円(33地点の単純平均)。市内の標準地は最高695,000円/㎡(御影郡家2丁目305番6)から最低96,000円/㎡(住吉山手9丁目1564番4)まであり、どのエリアを選ぶかで土地の値段が7.2倍変わります。
| 物件価格(税抜) | 仲介手数料の上限額(税込) | 家タダの場合 | 削減額 |
|---|---|---|---|
| 1,900万円 | 69万3,000円 | 0円 | ▲69万3,000円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 | 0円 | ▲105万6,000円 |
| 4,200万円 | 145万2,000円 | 0円 | ▲145万2,000円 |
| 5,400万円 | 184万8,000円 | 0円 | ▲184万8,000円 |
| 6,500万円 | 221万1,000円 | 0円 | ▲221万1,000円 |
※速算式(物件価格×3%+6万円)×1.1 で算出。400万円以下は別区分。
東灘区の成約価格帯だと、いくら変わるか
直近4四半期の成約中央値は、マンションが2,900万円(571件・平均専有75㎡・平均築1993年)、戸建が4,750万円(160件・平均延床118㎡・平均築2005年)。マンション2,900万円なら仲介手数料の上限額は102万3,000円、戸建4,750万円なら163万3,500円。これがまるごと0円になります。駅別に見ると阪急御影駅の中央値は4,300万円で、この価格帯だと148万5,000円の差。町丁目別でいちばん高い住吉本町(5,100万円・27件)なら174万9,000円です。逆に区内でいちばん中央値の低い深江南町(2,250万円・38件)でも80万8,500円。東灘区は成約731件のうち571件(約78%)がマンションで、2,000万円台後半から3,000万円台が中心価格帯の区です。東灘区は兵庫県内40市区町村で住宅地の平均価格が3位という価格帯ですので、仲介手数料の上限額そのものが大きくなります。同じ「手数料0円」でも、戻ってくる金額が違うということです。
仲介手数料以外に0円にできる費用
- ローン事務手数料
- 引越し代金
- 購入時の申込金
※適用条件は物件・時期により異なります。対象になるかは物件URLをお送りいただければその場で無料診断します。
02数字で見る神戸市東灘区 ― 公的統計でわかる街の実力
掲載している数値はすべて神戸市東灘区・兵庫県・国土交通省の公表資料にもとづく実データです。
人口 ― 住民基本台帳と国勢調査で見る
東灘区の人口は209,399人・105,420世帯(2026年3月現在・神戸市が公表している区別の人口・世帯数データ)。内訳は男97,433人・女111,966人、日本人200,425人・外国人8,974人で、外国人が人口の約4.3%を占めます。
まず最初にお断りしておきたいことがあります。令和7年国勢調査の「区別の人口の実数」は、本ページ作成時点で確認できていません(未取得)。神戸市が公表しているのは市全体の数字と、区別の増減率の一部です。市全体では1,497,630人・766,349世帯(令和7年10月1日現在・速報、2026年7月10日公表)で、前回(令和2年)から−27,522人・−1.8%。神戸市は150万人を割りました。一方で世帯数は+31,429世帯・+4.3%と増えており、1世帯あたり人員は1.95人です。人口は減っているのに世帯は増えている、つまり1世帯あたりの人数が小さくなっている、というのが神戸市全体の姿です。
そして区別の増減率について、神戸市は中央区+3.1%、兵庫区+2.5%、灘区+0.4%の3区が増加し、それ以外の区は減少したと公表しています。東灘区はこの3区に入っていないので、減少した側です。ただし何人減ったのかという実数は、本ページ作成時点で確認できていません。ここで数字を推測で埋めることはしません。
それでも東灘区が神戸市のなかでどういう位置にあるかは、はっきりしています。人口209,399人というのは、神戸市9区のなかでも最大級の規模です。参考までに、同じ基準日(2026年3月)で灘区が131,668人、中央区が142,356人ですから、東灘区は灘区の約1.6倍、中央区の約1.5倍の人口を抱えていることになります。105,420世帯という数字も、灘区70,248世帯・中央区89,470世帯を上回ります。
外国人比率4.3%という数字も、区の性格を示しています。灘区が5,598人・約4.3%でほぼ同水準なのに対し、中央区は16,373人・約11.5%と突出しています。東灘区と灘区はほぼ同じ比率で、中央区だけが別の水準にある、という構造です。
区の成り立ちにも触れておきます。東灘区が誕生したのは1950年(昭和25年)4月1日で、御影町・魚崎町・住吉村の3町村が神戸市と合併して区制を施行しました。同年10月10日に本庄村・本山村が加わって、現在の区域が完成しています。神戸市が市制を施行したのは1889年(明治22年)4月1日で、そのときの面積は約21km²。東灘区が神戸市の一部になったのは、市制施行から61年後ということになります。神戸市は「1947年から1958年にかけて、現在の東灘区や西北神地域を合併」し、「28町村と合併した結果、面積は当初の25倍近くに相当する約530km²まで増加」したと公式に記しています。現在の市域面積は557.02km²です。
この「戦後に合併して神戸市になった」という成り立ちは、東灘区の不動産を考えるうえで無視できない事実です。御影・住吉・魚崎・本庄・本山という5つの旧町村の名前は、いまも町名と学校名(御影小学校、住吉小学校、魚崎小学校、本庄小学校、本山第一・第二・第三小学校、本山南小学校)としてそのまま残っています。区のなかに5つの「元の町」があるという構造が、あとで見る町丁目別の価格差にもつながっていきます。
| 項目 | 値 | 備考 |
|---|---|---|
| 区の人口(住民基本台帳ベース) | 209,399人(男97,433/女111,966) | 2026年3月現在 |
| 世帯数 | 105,420世帯 | 同上 |
| うち日本人 | 200,425人 | 同上 |
| うち外国人 | 8,974人(人口比 約4.3%) | 同上。比率は当方算出 |
| 2か月前(2026年1月) | 人口209,807人/105,226世帯 | 人口は−408人、世帯は+194 |
| 神戸市の総人口(令和7年国勢調査) | 1,497,630人 | 令和7年10月1日現在・速報。2026年7月10日公表 |
| 同・前回比 | −27,522人(−1.8%) | 神戸市は150万人を割った |
| 神戸市の世帯数(同) | 766,349世帯 | 前回比 +31,429世帯(+4.3%)。1世帯あたり1.95人 |
| 国勢調査で人口が増えた区 | 中央区+3.1%/兵庫区+2.5%/灘区+0.4% | この3区以外は減少。東灘区も減少した側だが実数は未取得 |
| 区の設置 | 1950年(昭和25年)4月1日 | 御影町・魚崎町・住吉村が神戸市と合併して区制施行 |
| 現区域の完成 | 1950年10月10日 | 本庄村・本山村が編入 |
| 区名の由来 | 「灘の東」 | 地元は「灘区」を主張したが、西隣にすでに灘区があったため |
| 区役所 | 住吉東町5丁目2番1号 | 〒658-8570 |
| 区の花 | 梅 | — |
| 区の面積 | 未取得 | 神戸市統計書がExcel提供のみで確認できていません |
| 人口密度 | 未取得 | 面積が未取得のため算出していません |
| 市公式の所要時間 | 三宮まで15分、梅田まで30分 | 東灘区「区の紹介」 |
市街化区域と市街化調整区域
ここは、東灘区だけの数字ではなく神戸市全体の数字で書きます。神戸市は区別の市街化区域・市街化調整区域の面積を公表していません(未取得)。区域区分は計画図(図面)で示される仕組みで、区ごとの内訳の文章記載が見つからないためです。ここで区別の数字を推測で埋めることはしません。
神戸市全体では、神戸都市計画区域 約55,730haのうち、市街化区域が約20,244ha(36%)、市街化調整区域が約35,486ha(64%)です。市域の3分の2が市街化調整区域という構造で、これは政令指定都市としてかなり例外的な数字です。しかも神戸市の都市計画区域マスタープランは、市街化調整区域が主に六甲山系および北側山地(六甲山系、帝釈・丹生山系などの自然環境が豊かな森林地域)と、北区・西区の農村地域に分布すると記しています。
東灘区は六甲山系の山麓から大阪湾の人工島(六甲アイランド)までが区域です。区公式は「海と山に囲まれ」と記しています。この「山側」がどこから市街化調整区域になるのかは、物件ごとに神戸市情報マップ(Web GIS)または重要事項説明書で確認するしかありません。区内に市街化調整区域があるかどうかについても、区単位で明示した市の公表資料は確認できていません(未取得)。
もうひとつ、神戸市の区域区分には知っておく価値のある動きがあります。直近の変更で市街化区域が約151ha減り、市街化調整区域が約155ha増えました(変更前 市街化区域20,395ha/調整区域35,331ha → 変更後 20,244ha/35,486ha)。人口が減るなかで市街化区域を「広げる」のではなく「狭める」方向に動いているということです。神戸市は現在「第9回線引き見直し」の方針も公表しています。宅地として使える面積が制度として絞られていく方向にある、というのは中長期の土地の値段を考えるうえで押さえておきたい事実です。
| 区分 | 面積 | 構成比 |
|---|---|---|
| 市街化区域 | 20,244 ha | 36.3% |
| 市街化調整区域 | 35,486 ha | 63.7% |
| 合計(都市計画区域) | 55,730 ha | 100.0% |
地価公示 ― 33地点の実データ
令和8年地価公示(価格時点:令和8年1月1日)で、神戸市東灘区の住宅地の標準地は33地点。 単純平均は1㎡あたり354,575円、前年の同一地点と比べた変動率の平均は+4.7%です。 上位・下位それぞれ5地点を所在地つきで掲載します。
| 標準地 | 所在地番 | 価格(円/㎡) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 神戸東灘-2 | 御影郡家2丁目305番6 | 695,000 | +7.8% |
| 神戸東灘-6 | 岡本2丁目18番1 | 651,000 | +4.2% |
| 神戸東灘-15 | 住吉本町1丁目316番2 | 600,000 | +5.6% |
| 神戸東灘-4 | 本山中町3丁目144番 | 565,000 | +7.6% |
| 神戸東灘-17 | 本山北町6丁目289番56 | 558,000 | +6.3% |
| … | (中略・全33地点) | ||
| 神戸東灘-32 | 住吉山手9丁目1564番4 | 96,000 | +0.0% |
| 神戸東灘-11 | 住吉台1874番214内 | 115,000 | +0.0% |
| 神戸東灘-3 | 森北町7丁目744番205 | 134,000 | +0.0% |
| 神戸東灘-20 | 西岡本7丁目1203番38 | 161,000 | +0.0% |
| 神戸東灘-31 | 鴨子ケ原3丁目45番14 | 179,000 | +1.7% |
※変動率は前年(令和7年)の同一標準地の価格と比較して当方が算出した自算値です。 前年に同一番号が無い地点(新規選定等)は「—」とし、平均の母数から除いています。 所在地は国土交通省の鑑定評価書情報にある「所在地番」(市名は省略表記)です。
同じ神戸市東灘区内で、住宅地の地価は7.2倍ちがいます
最も高いのは御影郡家2丁目305番6の1㎡あたり695,000円(+7.8%)。最も安いのは住吉山手9丁目1564番4の96,000円(+0.0%)。その差は7.2倍です。「神戸市東灘区の相場」という一つの数字で考えると、実際の物件価格とのズレが大きくなります。
神戸市東灘区は兵庫県内で何番目に地価が高いか
令和8年地価公示で住宅地の標準地が3地点以上ある兵庫県内の40市区町村のうち、 神戸市東灘区の住宅地の平均価格は3位。 神戸市の9区のなかで見ると第2位です。
| 区分 | 神戸市東灘区の位置 | 母数 |
|---|---|---|
| 住宅地の平均価格(県内・区を含む) | 3位 | 40市区町村 |
| 住宅地の平均価格(神戸市の区のみ) | 2位 | 9区 |
| 前年比の変動率(県内・区を含む) | 3位 | 40市区町村 |
| 前年比の変動率(神戸市の区のみ) | 1位 | 9区 |
※国土交通省の鑑定評価書情報(令和8年・令和7年)から当方が全地点の価格を集計して算出した自算値です。 国土交通省が順位として公表しているものではありません。
神戸市東灘区の地価マップ(令和8年地価公示・住宅地33地点)
標準地の所在地を丁目単位でまとめ、1㎡あたりの価格が高い順に並べました。 同じ市内で7.2倍の開きがあります。
※所在地は国土交通省の鑑定評価書情報にある「所在地番」を丁目までで表記したものです。 同一の丁目に複数の標準地がある場合は、価格の高いほうを採用しています。
03東灘区の特徴 ― 7.2倍の価格差は「山手と浜手」ではなく「丁目」で開いている
東灘区のデータを並べると、多くの方の予想とは違う結果が出てきます。 東灘区は六甲山系の山麓から大阪湾の人工島まで、南北に連続した区域を持つ区です。 区公式も「海と山に囲まれ」と記しています。 だから普通は「山手が高くて浜手が安い」と考えます。 ところが令和8年地価公示の住宅地33地点を実際に並べると、安いほうの5地点はすべて山側です。 浜手の標準地は、その5地点より高い。 この章では、なぜそうなるのかを公的資料だけで見ていきます。
まず、令和8年地価公示の住宅地33地点を全部並べる
東灘区には令和8年地価公示の標準地が、住宅地33地点・商業地6地点・工業地5地点の 合計44地点あります。まず住宅地33地点を、価格の高い順に全部並べます。
| 標準地 | 所在地番 | 価格(円/㎡) | 前年比 | 地積 |
|---|---|---|---|---|
| 神戸東灘-2 | 御影郡家2丁目305番6 | 695,000 | +7.8% | 366㎡ |
| 神戸東灘-6 | 岡本2丁目18番1 | 651,000 | +4.2% | 330㎡ |
| 神戸東灘-15 | 住吉本町1丁目316番2 | 600,000 | +5.6% | 290㎡ |
| 神戸東灘-4 | 本山中町3丁目144番 | 565,000 | +7.6% | 505㎡ |
| 神戸東灘-17 | 本山北町6丁目289番56 | 558,000 | +6.3% | 232㎡ |
| 神戸東灘-26 | 岡本6丁目23番2 | 510,000 | +4.1% | 264㎡ |
| 神戸東灘-30 | 御影郡家1丁目308番27 | 495,000 | +7.1% | 114㎡ |
| 神戸東灘-27 | 田中町2丁目136番3 | 480,000 | +6.7% | 187㎡ |
| 神戸東灘-10 | 西岡本5丁目20番3 | 453,000 | +5.3% | 227㎡ |
| 神戸東灘-13 | 本山南町5丁目15番4 | 436,000 | +6.3% | 214㎡ |
| 神戸東灘-12 | 深江北町1丁目54番1 | 425,000 | +6.2% | 510㎡ |
| 神戸東灘-8 | 御影石町4丁目88番3 | 410,000 | +6.5% | 129㎡ |
| 神戸東灘-24 | 住吉宮町3丁目35番 | 393,000 | +6.5% | 800㎡ |
| 神戸東灘-5 | 魚崎北町8丁目180番1 | 390,000 | +5.4% | 188㎡ |
| 神戸東灘-25 | 本庄町1丁目41番6 | 380,000 | +7.6% | 200㎡ |
| 神戸東灘-28 | 御影本町2丁目716番 | 368,000 | +4.5% | 111㎡ |
| 神戸東灘-29 | 本山北町1丁目420番8 | 339,000 | +5.9% | 86㎡ |
| 神戸東灘-19 | 住吉山手3丁目1531番4 | 338,000 | +4.3% | 243㎡ |
| 神戸東灘-21 | 御影石町2丁目382番4 | 302,000 | +6.7% | 161㎡ |
| 神戸東灘-16 | 深江本町4丁目18番3 | 289,000 | +5.9% | 115㎡ |
| 神戸東灘-23 | 御影塚町2丁目300番 | 273,000 | +6.6% | 102㎡ |
| 神戸東灘-9 | 深江南町1丁目38番2 | 265,000 | +6.0% | 95㎡ |
| 神戸東灘-7 | 魚崎南町7丁目53番 | 255,000 | +2.8% | 170㎡ |
| 神戸東灘-14 | 森北町6丁目30番37 | 247,000 | +2.1% | 174㎡ |
| 神戸東灘-1 | 鴨子ケ原1丁目8番22 | 239,000 | +1.7% | 168㎡ |
| 神戸東灘-18 | 御影山手6丁目1番217 | 231,000 | +0.9% | 110㎡ |
| 神戸東灘-33 | 魚崎南町3丁目632番 | 220,000 | +7.3% | 103㎡ |
| 神戸東灘-22 | 御影本町3丁目83番 | 209,000 | +6.6% | 106㎡ |
| 神戸東灘-31 | 鴨子ケ原3丁目45番14 | 179,000 | +1.7% | 134㎡ |
| 神戸東灘-20 | 西岡本7丁目1203番38 | 161,000 | 0.0% | 229㎡ |
| 神戸東灘-3 | 森北町7丁目744番205 | 134,000 | 0.0% | 179㎡ |
| 神戸東灘-11 | 住吉台1874番214内 | 115,000 | 0.0% | 303㎡ |
| 神戸東灘-32 | 住吉山手9丁目1564番4 | 96,000 | 0.0% | 134㎡ |
出典:国土交通省 地価公示 鑑定評価書情報(令和8年・令和7年)。 前年比は前年の同一標準地の価格と比較して当方が算出した自算値です。
この表から読み取れる、東灘区だけの事実が3つあります
事実1:前年比0.0%の4地点が、そのまま最安値の1〜4位
33地点のうち、前年比が0.0%(横ばい)だったのは4地点だけです。 西岡本七丁目161,000円、森北町七丁目134,000円、住吉台115,000円、住吉山手九丁目96,000円。 そしてこの4地点は、安いほうから数えて4位・3位・2位・1位に、ぴったり一致します。 偶然ここまできれいに並ぶことは、あまりありません。
残る29地点はすべてプラスです。 上昇率がいちばん高いのは御影郡家二丁目の+7.8%、 次いで本山中町三丁目と本庄町一丁目の+7.6%、魚崎南町三丁目の+7.3%、御影郡家一丁目の+7.1%。 区全体の平均は+4.7%で、これは兵庫県内40市区町村のうち3位の上昇率です。 つまり東灘区は「よく上がっている区」なのですが、その上昇から完全に取り残されている4地点がある、 というのがいまの姿です。
事実2:安い5地点は「浜手」ではなく、すべて山側
安いほうから5地点を並べます。 住吉山手九丁目96,000円、住吉台115,000円、森北町七丁目134,000円、西岡本七丁目161,000円、 鴨子ケ原三丁目179,000円。 この5つはいずれも、区の南側(浜手)の町ではありません。
対して、浜手側の標準地はこうです。 深江南町一丁目265,000円、魚崎南町七丁目255,000円、魚崎南町三丁目220,000円、御影本町三丁目209,000円。 いちばん安い浜手の標準地(御影本町三丁目209,000円)でも、 鴨子ケ原三丁目179,000円・西岡本七丁目161,000円・森北町七丁目134,000円・住吉台115,000円・ 住吉山手九丁目96,000円の5つより高い。
つまり東灘区では、「山手だから高い/浜手だから安い」という読み方が成立しません。 成立しているのは、もっと単純な原理です。 鉄道の駅から歩けるかどうか。 区内で最も高い御影郡家二丁目も、2位の岡本二丁目も、3位の住吉本町一丁目も、 いずれも阪急・JRの駅の周辺です。 逆に安い5地点は、いずれも住宅地の名前から山側の高台にあると読める区域で、 国土交通省の成約価格情報でも、この5地点のある町丁目は成約件数の上位8町丁目に1つも入っていません。 (上位8町丁目は向洋町中・魚崎南町・御影山手・深江南町・岡本・本山南町・田中町・住吉本町。)
東灘区はJR神戸線・阪急神戸線・阪神本線の3線が東西に並走する区です。 3線が走るのは区の東西方向であって、南北(山手↔浜手)方向には走っていません。 南北の移動は、坂を上り下りすることになります。 神戸市が2024年度から「坂のまち神戸プロジェクト」を始め、 「神戸の坂の魅力を一層活かし、課題については改善を図っていくための取り組み」と説明しているのは、 この地形が市全体のテーマだからです。
事実3:同じ町名でも、丁目が変わると単価が3.5倍変わる
ここが東灘区でいちばん実務的に重要な論点です。 標準地を町名でまとめると、次のようになります。
| 町名 | 上の丁目 | 下の丁目 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 住吉山手 | 三丁目 338,000円/㎡(+4.3%) | 九丁目 96,000円/㎡(0.0%) | 3.5倍 |
| 西岡本 | 五丁目 453,000円/㎡(+5.3%) | 七丁目 161,000円/㎡(0.0%) | 2.8倍 |
| 森北町 | 六丁目 247,000円/㎡(+2.1%) | 七丁目 134,000円/㎡(0.0%) | 1.8倍 |
| 御影本町 | 二丁目 368,000円/㎡(+4.5%) | 三丁目 209,000円/㎡(+6.6%) | 1.8倍 |
| 本山北町 | 六丁目 558,000円/㎡(+6.3%) | 一丁目 339,000円/㎡(+5.9%) | 1.6倍 |
| 御影郡家 | 二丁目 695,000円/㎡(+7.8%) | 一丁目 495,000円/㎡(+7.1%) | 1.4倍 |
| 御影石町 | 四丁目 410,000円/㎡(+6.5%) | 二丁目 302,000円/㎡(+6.7%) | 1.4倍 |
| 鴨子ケ原 | 一丁目 239,000円/㎡(+1.7%) | 三丁目 179,000円/㎡(+1.7%) | 1.3倍 |
| 岡本 | 二丁目 651,000円/㎡(+4.2%) | 六丁目 510,000円/㎡(+4.1%) | 1.3倍 |
| 魚崎南町 | 七丁目 255,000円/㎡(+2.8%) | 三丁目 220,000円/㎡(+7.3%) | 1.2倍 |
住吉山手は、同じ町名のなかで3.5倍です。 区全体の最高値と最安値の差が7.2倍ですから、 区内格差7.2倍のうち、半分近くが「住吉山手」という1つの町名の内側で起きていることになります。 西岡本も2.8倍、森北町も1.8倍。
これは、住宅を買う側にとってそのまま実務上の注意書きになります。
- 「住吉山手」「西岡本」「森北町」といった町名だけで相場を判断しない。 ポータルサイトの相場ページは町名単位でまとめられていることが多いですが、 東灘区ではその単位が粗すぎます。丁目まで見てください。
- 「安く出ている」と感じたら、まず場所を地図で確認する。 同じ町名で3.5倍の差があるということは、 安く見える物件が「掘り出し物」ではなく「その丁目の相場どおり」である可能性が高い、ということです。
- 逆に、坂の上の物件を「相場より安い」という理由だけで選ばない。 前年比0.0%という4地点の数字は、 その一帯の土地の値段が区全体の+4.7%という上昇に連動していないことを示しています。 将来の売却価格を考えるなら、この差は無視できません。
ただし因果関係を市が説明している資料はありませんので、 「坂の上だから上がらない」とは断定しません。 書けるのは、データがそうなっているという事実までです。
商業地6地点・工業地5地点 ― 動いているのは「浜町」です
住宅地ばかり見ていると見落とすのが、商業地と工業地です。
| 区分 | 地点数 | 平均価格 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 住宅地 | 33地点 | 354,575円/㎡ | +4.7% |
| 商業地 | 6地点 | 561,000円/㎡ | +6.6% |
| 工業地 | 5地点 | 151,400円/㎡ | +14.1% |
工業地の+14.1%は、住宅地の+4.7%の3倍です。 そして、この5地点の所在地番を見てください。
| 区分 | 所在地番 | 価格(円/㎡) | 前年比 | 地積 |
|---|---|---|---|---|
| 工業地 | 魚崎南町3丁目1079番8 | 198,000 | +6.5% | 315㎡ |
| 工業地 | 深江浜町133番 | 176,000 | +17.3% | 1,614㎡ |
| 工業地 | 深江浜町30番内 | 138,000 | +15.0% | 7,482㎡ |
| 工業地 | 魚崎浜町36番2 | 135,000 | +15.4% | 6,614㎡ |
| 工業地 | 住吉浜町19番5 | 110,000 | +16.4% | 6,611㎡ |
5地点すべてが「浜町」です。 深江浜町・魚崎浜町・住吉浜町。 そして深江浜町133番の+17.3%は、東灘区の全44地点を通じて最大の上昇率です。 地積を見ると、7,482㎡・6,614㎡・6,611㎡と、住宅地とは桁が違います。
商業地6地点も並べておきます。
| 区分 | 所在地番 | 価格(円/㎡) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 商業地 | 岡本1丁目64番3 | 870,000 | +5.5% |
| 商業地 | 甲南町3丁目320番4 | 635,000 | +8.7% |
| 商業地 | 御影本町4丁目654番 | 625,000 | +7.8% |
| 商業地 | 住吉本町1丁目323番5外 | 620,000 | +6.0% |
| 商業地 | 深江北町3丁目20番 | 442,000 | +5.7% |
| 商業地 | 深江南町3丁目8番5 | 174,000 | +6.1% |
商業地でも岡本一丁目870,000円/㎡がトップで、 住宅地の最高値(御影郡家二丁目695,000円/㎡)を上回ります。 一方いちばん安い商業地は深江南町三丁目の174,000円/㎡。 商業地のなかでも5.0倍の差があります。
住宅を買う側にとって、工業地の+14.1%は2つの意味で効いてきます。
- 浜町に近い住宅地では、隣地・近隣の現況を必ず見てください。 魚崎南町には住宅地の標準地(三丁目220,000円/㎡)と工業地の標準地(三丁目1079番8・198,000円/㎡)が 同じ町丁目のなかに並んで存在しています。 用途地域の指定だけでは読めない環境の違いが、ここにはあります。
- 臨海部の土地需要が、区全体の地面の値段を下支えしている可能性があります。 ただし神戸市がこの上昇の理由を説明している資料は確認できていませんので、 本ページでは「そういう数字になっている」という事実までにとどめます。
出典:国土交通省 地価公示 鑑定評価書情報(令和8年・令和7年)。 前年比は当方が算出した自算値です。
成約データ ― 土地は7.2倍開くのに、物件価格は2倍強しか開かない
ここまでは土地の値段(地価公示)の話でした。 次に、実際に売買された物件の価格を見ます。 国土交通省 不動産情報ライブラリの成約価格情報で、直近4四半期の東灘区は731件です。
| 種別 | 件数 | 成約中央値 | 平均面積 | 平均築年 |
|---|---|---|---|---|
| マンション | 571件 | 2,900万円 | 専有75㎡ | 1993年 |
| 戸建 | 160件 | 4,750万円 | 延床118㎡ | 2005年 |
東灘区の成約は、78%がマンションです。 そして戸建の中央値4,750万円は、マンションの2,900万円の1.6倍。 平均築年もマンション1993年に対し戸建2005年と12年新しい。 東灘区で戸建を買うということは、マンションを買うのとは別の価格帯に入るということです。
駅別に見ます。
| 最寄駅 | 件数 | 成約中央値 | 平均徒歩 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 御影(阪急) | 104件 | 4,300万円 | 10分 | 区内の駅別で最高 |
| 摂津本山 | 73件 | 4,100万円 | 8分 | 区公式が「大学が点在する学生街」と記す一帯 |
| 住吉(JR・六甲ライナー) | 120件 | 3,350万円 | 8分 | 区内で最も取引が多い。区役所の最寄駅 |
| アイランド北口 | 50件 | 3,200万円 | 5分 | 六甲ライナー。所在区は市公式で未確認 |
| 魚崎 | 63件 | 3,100万円 | 7分 | 灘五郷の魚崎郷。地区計画「魚崎郷地区」 |
| 深江 | 52件 | 2,100万円 | 8分 | 区内の駅別で最も低い |
駅別では、御影(阪急)4,300万円と深江2,100万円で2.05倍。 土地の単価が7.2倍開いているのに、物件の成約価格は駅別で2倍強しか開きません。
町丁目別でも見ておきます。
| 町丁目 | 件数 | 成約中央値 | 平均面積 |
|---|---|---|---|
| 住吉本町 | 27件 | 5,100万円 | 82㎡ |
| 御影山手 | 39件 | 4,600万円 | 117㎡ |
| 本山南町 | 30件 | 4,250万円 | 70㎡ |
| 田中町 | 28件 | 3,950万円 | 64㎡ |
| 向洋町中 | 100件 | 3,100万円 | 89㎡ |
| 岡本 | 35件 | 2,900万円 | 81㎡ |
| 魚崎南町 | 40件 | 2,800万円 | 70㎡ |
| 深江南町 | 38件 | 2,250万円 | 68㎡ |
最高の住吉本町5,100万円と最安の深江南町2,250万円で、2.27倍。 地価公示の7.2倍と比べると、ずいぶん小さくなります。 なぜか。答えは、この表に載っている町丁目の顔ぶれにあります。
成約件数の上位8町丁目は、向洋町中・魚崎南町・御影山手・深江南町・岡本・本山南町・田中町・住吉本町。 地価公示で安いほうから5位までに入っていた住吉山手・住吉台・森北町・西岡本・鴨子ケ原は、 1つも入っていません。 つまり土地が安い一帯では、そもそも取引の件数が少ない。 成約価格情報で見える範囲には、区内の最安値層があまり出てこないということです。
もうひとつ注目したいのが、向洋町中(六甲アイランド)です。 100件で区内最多、中央値3,100万円・平均89㎡。 ところが令和8年地価公示の住宅地33地点のなかに、向洋町中の標準地は1つもありません。 区内で最も売買されている町に、公的な土地の値段の目安が存在しないという状態です。 人工島という土地の成り立ち(神戸市は「海面の埋め立てによっても市域を拡大してきました。 特に昭和40年代以降は…ポートアイランドや六甲アイランドといった大規模な海上都市が建設された」と記載)を 考えれば、区分所有のマンションが大半を占める街であることは想像がつきますが、 確かなのは「住宅地の標準地が無い」という事実だけです。
そして御影山手。 成約では39件・中央値4,600万円・平均117㎡で区内最大の広さと、区内2位の高値です。 ところが標準地の御影山手六丁目は231,000円/㎡(+0.9%)で、区内33地点のうち下から8番目。 同じ町名のなかで、高値で成約している区画と、単価が低く上昇率も0.9%の区画が同居している ということになります。 ここでも「町名で判断しない」が効いてきます。
実際の成約は、こんな中身です
数字の話が続いたので、実際の成約事例も挙げておきます。 いずれも国土交通省 不動産情報ライブラリの成約価格情報で、 家タダ自身の取引実績ではありません。
| 種別 | 所在 | 成約価格 | 専有・延床 | 間取 | 築年 | 構造 | 最寄駅・徒歩 | 時期 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 戸建 | 西岡本 | 4,800万円 | 295㎡(土地125㎡) | 3LDK | 1996年 | 軽量鉄骨造 | 御影(阪急) 20分 | 2025Q4 |
| 戸建 | 森北町 | 4,800万円 | 85㎡(土地85㎡) | 2LDK+S | 2025年 | 木造 | 甲南山手 15分 | 2025Q3 |
| 戸建 | 御影本町 | 4,700万円 | 55㎡(土地110㎡) | 4LDK | 2025年 | 木造 | 御影(阪神) 10分 | 2025Q4 |
| 戸建 | 田中町 | 4,600万円 | 60㎡(土地100㎡) | 3LDK | 1997年 | 木造 | 摂津本山 10分 | 2025Q4 |
| マンション | 鴨子ケ原 | 2,900万円 | 80㎡ | 3LDK | 2000年 | RC | 御影(阪急) 11分 | 2025Q2 |
| マンション | 本山中町 | 2,900万円 | 65㎡ | 3LDK | 1987年 | SRC | 甲南山手 12分 | 2025Q2 |
| マンション | 甲南町 | 2,900万円 | 60㎡ | 2LDK | 1998年 | RC | 摂津本山 9分 | 2025Q4 |
| マンション | 向洋町中 | 2,900万円 | 70㎡ | 3LDK | 2012年 | RC | アイランド北口 6分 | 2025Q2 |
気づいていただきたいのは、戸建4件の土地面積です。 125㎡・85㎡・110㎡・100㎡。 一方で地価公示の標準地は、深江北町一丁目510㎡、本山中町三丁目505㎡、住吉宮町三丁目800㎡、 御影郡家二丁目366㎡と、桁が違います。 標準地として選ばれている敷地と、実際に流通している敷地の規模には、大きな開きがあります。 東灘区の戸建市場は、100㎡前後の土地に新築が建つという形で動いていると読めます。
もうひとつ。戸建4件のうち2件が2025年築です。 成約160件の平均築年が2005年というのも、 東灘区の戸建市場には新しい供給が一定量あることを示しています。 これは、マンションの平均築年1993年との対比で見ると分かりやすい違いです。
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ 成約価格情報 (2025年第2四半期〜2026年第1四半期・神戸市東灘区731件)。 これらは公的に公表された取引データであり、家タダの成約実績ではありません。 延床・土地面積は公表値を四捨五入した区分値です。 なお成約価格情報には「土地のみ」の区分が存在しないため、 土地単独の成約中央値は本ページに掲載していません。
1995年1月17日 ― 「行政区単位で最大の1,470人」
東灘区の土地を語るうえで、避けて通れない事実があります。 神戸市は東灘区の歴史ページで、1995年1月17日の阪神・淡路大震災により、 東灘区が「行政区単位で最大の1,470人の死者」を記録したと記しています。 「歴史的資産も多く失われた」とも書かれています。
行政区単位で最大、というのは神戸市9区のなかで最も多かったということです。 この事実は、いまの東灘区の街並みの前提になっています。 震災後、神戸市は13地区で震災復興土地区画整理事業を施行しました。 市が公表している地区名のうち、森南第一・森南第二・森南第三の3地区が東灘区にあたります (ただし市の一覧ページに所在区の明記はなく、地区名からの判断です)。
土地区画整理事業が入るということは、 道路が引き直され、街区が整理され、敷地の形が変わるということです。 森南町の一帯は、震災後に基盤が更新された区域だということになります。 一方で、区内の他の多くの区域は区画整理の対象になっていません。 つまり東灘区のなかには「震災後に道路と街区がつくり直された場所」と 「そうでない場所」が混在しています。
ただし正直に書いておくと、 森南第一〜第三の各地区の面積・施行期間は市の公表ページに記載がなく、確認できていません(未取得)。 また、震災復興市街地再開発事業については市が 1995年3月17日に六甲道駅南地区(灘区)と新長田駅南地区(長田区)の2地区を都市計画決定したと 記していますが、これは東灘区の事業ではありません。 震災から約2か月後に2地区の都市計画決定が行われたというスピードは、 当時の神戸市の状況を示す数字として、あわせて記しておきます。
実務上の意味はひとつです。 東灘区で中古の戸建・マンションを検討する場合、築年が1995年をまたぐかどうかは、 建物の耐震性だけでなく「その土地が区画整理を経たかどうか」にも関わる可能性があります。 前面道路の幅員、接道の状態、敷地の形。 これらは現地と公図・指定道路の情報で確認できます。 家タダでは契約前に無料で調査しますので、気になる物件があればご相談ください。
出典:神戸市東灘区「東灘区の歴史」 //www.city.kobe.lg.jp/b07715/kuyakusho/higashinadaku/shoukai/shoukai/history_01/index.html / 神戸市「震災復興土地区画整理事業」 //www.city.kobe.lg.jp/a13150/kukakuseiri/shinsaifukkoutochikukakuseirijigyou.html / 神戸市「震災復興市街地再開発事業」 //www.city.kobe.lg.jp/a13150/shise/kekaku/jutakutoshikyoku/redevelop/kobe-kh/susume/index.html
東灘区は兵庫県内で何番目か
最後に、東灘区の位置を県内の物差しで確認しておきます。 令和8年地価公示で住宅地の標準地が3地点以上ある兵庫県内の40市区町村のうち、 東灘区の住宅地の平均価格354,575円/㎡は3位、 変動率+4.7%も3位です。 神戸市9区のなかでは平均価格が2位、変動率は1位になります。
県内の上位はこうなっています。 1位が芦屋市の394,736円/㎡、2位が神戸市中央区の363,538円/㎡、 3位が神戸市東灘区の354,575円/㎡、4位が神戸市灘区の352,809円/㎡。 2位から4位までを神戸市の3区が占めています。 そしてこの3区はいずれも、六甲山系の南斜面と大阪湾のあいだの帯状の市街地にあります。
一方、同じ神戸市の北区は58,056円/㎡、西区は74,694円/㎡。 中央区と北区で6.3倍です。 同じ市、同じ固定資産税1.4%・都市計画税0.3%、同じ教育委員会。 それでも土地の単価が6倍違う。 理由は07章で扱った市街化調整区域64%と、 「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」による農村用途区域17,935haにあります。
東灘区を検討する方に、この対比がどう効くか。 「神戸市で家を買う」と考えたとき、予算が合わないなら北区・西区という選択肢が同じ市内にある ということです。 ただしそれは、市街化調整区域で建築が制限される可能性、 里づくり計画という住民の取り決めがある地域、 そして土砂災害警戒区域が北区だけで858箇所(市全体2,356箇所の約36%)という 別の条件を受け入れるということでもあります。 東灘区の137箇所と比べると6.3倍です(兵庫県・2026年6月30日現在)。 価格だけで比べられる話ではありません。
まとめ:東灘区は「町名」ではなく「丁目と駅からの距離」で決まる区
東灘区の住宅地の平均価格は兵庫県内40市区町村中3位、変動率も3位。 県内でも上位の、よく上がっている区です。 その内側は、地価公示で7.2倍、成約で2.27倍(町丁目別)。 そしてその7.2倍のうち、半分近くは「住吉山手」という1つの町名の内側(3.5倍)で起きています。
確認すべきことは、市と県の資料からはっきり決まります。
- その物件は何丁目か。住吉山手・西岡本・森北町・御影本町・本山北町は、丁目で1.6〜3.5倍変わります
- どの駅から歩けるか。阪急御影と阪神御影は別の駅です。 「御影駅徒歩○分」がどちらかを必ず確認してください
- 土砂災害警戒区域にかかっていないか。東灘区は急傾斜117・土石流19・地すべり1の計137箇所です
- 地区計画7地区のどれかにかかっていないか。 六甲アイランド都市機能ゾーン/岡本/阪神御影駅北/青木南/魚崎郷/深江駅南/青木駅南
- 津波・高潮のハザードマップでその住所がどう評価されているか。 東灘区は津波浸水想定区域のある7区の1つです
- 隣地の現況は何か。魚崎南町のように、住宅地と工業地の標準地が同じ町丁目に並ぶ区域があります
この6点は、すべて契約前に調べられます。 家タダでは、これらの調査を契約前に無料で行ったうえで、 買主様の仲介手数料0円でお引き渡しまで進めます。
空から見た、この50年の神戸市東灘区
左が1974〜78年、右が現在の同じ範囲です。この50年に、東灘区では2つの大きなことが起きています。
1つめは海面の埋め立てです。神戸市は「海面の埋め立てによっても市域を拡大してきました。特に昭和40年代以降は、港湾機能だけではなく『港』と『まち』の機能が併存するポートアイランドや六甲アイランドといった大規模な海上都市が建設された」と公式に記しています。六甲アイランドには現在、六甲アイランド小学校・向洋小学校・向洋中学校があり、国土交通省の成約価格情報では向洋町中が100件と区内の町丁目で最多の取引があります。
2つめは1995年1月17日の阪神・淡路大震災です。神戸市は東灘区について「行政区単位で最大の1,470人の死者を記録」し、「歴史的資産も多く失われた」と記しています。その後、森南第一・森南第二・森南第三で震災復興土地区画整理事業が施行されました。右の写真に写っているのは、その復興を経たあとの東灘区です。
左の写真の時点、1974〜78年というのは、東灘区が神戸市と合併(1950年)してから四半世紀が経った頃にあたります。江戸期に「灘の生一本」で知られた酒造の町(灘五郷の魚崎郷・御影郷)、水車業、御影石の切り出しという産業から、住宅地へと姿を変えていく途中の東灘区がそこにあります。












出典:国土地理院 地理院タイル(国土画像情報 第1期/全国最新写真)。同一のタイル座標(ズーム15・x28695〜28697・y13009〜13010)で切り出しています。
04神戸市東灘区を6に分けて考える(エリアガイド)
東灘区には、灘区のような「山麓/山手/中央/浜手/臨海」という市公式の地域区分がありません(未取得)。区が刊行している魅力発信ガイドブックは区内を①住吉・岡本エリア ②甲南山手・深江・青木エリア ③御影・魚崎・六甲アイランドエリアの3つに分けていますが、これは広報上の区分であって都市計画上の地域区分ではありません。
そこで本ページでは、神戸市公式で所在区が確認できる駅、令和8年地価公示の全33地点(住宅地)・6地点(商業地)・5地点(工業地)、国土交通省の成約価格情報(駅別・町丁目別)、市の地区計画7地区を重ね合わせて、6つのまとまりに整理します。東灘区はJR・阪急・阪神の3線が東西に並走し、六甲ライナーが南北に走る区なので、「駅」と「山からの距離」の2軸で読むのがいちばん実務的です。
なお、各町丁目がどの地域に属するかを町名単位で示した市の公表資料は確認できていないため、以下は駅からの距離(成約データの平均徒歩分数)と標準地の所在地番にもとづく整理であることをお断りしておきます。
御影エリア(御影郡家・御影山手・御影石町・御影本町・御影塚町)(最寄駅:御影(阪急・阪神))
区内で最も土地の単価が高いエリアです。令和8年地価公示の住宅地33地点のうち最高値は御影郡家二丁目695,000円/㎡(前年比+7.8%)で、御影郡家一丁目も495,000円/㎡(+7.1%)。成約でも御影(阪急)が104件・中央値4,300万円・平均徒歩10分で駅別トップです。
ただし「御影」と名のつく町を一括りにはできません。御影石町は四丁目410,000円/㎡(+6.5%)に対し二丁目302,000円/㎡(+6.7%)、御影本町は二丁目368,000円/㎡(+4.5%)に対し三丁目209,000円/㎡(+6.6%)で1.76倍、御影塚町二丁目は273,000円/㎡(+6.6%)です。さらに御影山手六丁目は231,000円/㎡(+0.9%)で、区内33地点のうち下位から8番目。一方で成約の町丁目別では御影山手が39件・中央値4,600万円・平均117㎡と区内2位の高さです。同じ「御影山手」でも、標準地のある六丁目と、実際に高値で成約している区画とでは条件が違うということになります。
阪急御影は山手、阪神御影は浜手寄りで位置が大きく異なり、地区計画「阪神御影駅北地区」もあります。商業地は御影本町四丁目625,000円/㎡(+7.8%・地積636㎡)。成約個票では御影本町の戸建(阪神御影駅徒歩10分・木造・2025年築・延床55㎡/土地110㎡)が4,700万円で成約しています。
住吉エリア(住吉本町・住吉宮町・住吉山手・住吉台)(最寄駅:住吉(JR・六甲ライナー))
区役所のあるエリアで、成約件数120件は区内の駅別で最多(中央値3,350万円・平均徒歩8分)。JR住吉駅で六甲ライナーに接続します。
このエリアの最大の特徴は「同じ住吉のなかで、区内の最高値層と最安値がどちらもある」ことです。住宅地の標準地を並べると、住吉本町一丁目600,000円/㎡(+5.6%・区内3位)、住吉宮町三丁目393,000円/㎡(+6.5%・地積800㎡)、住吉山手三丁目338,000円/㎡(+4.3%)、住吉台115,000円/㎡(0.0%・区内32位)、住吉山手九丁目96,000円/㎡(0.0%・区内33位=最安)。
住吉山手三丁目338,000円/㎡と住吉山手九丁目96,000円/㎡で、3.5倍です。同じ町名、同じ「住吉山手」で3.5倍。東灘区で町名だけを見て相場を判断してはいけない、という何よりの証拠がこれです。成約の町丁目別では住吉本町が27件・中央値5,100万円・平均82㎡で区内最高。一方で住吉山手・住吉台は成約件数の上位8町丁目に入っていません。
岡本・摂津本山エリア(岡本・西岡本・田中町・本山中町・本山北町)(最寄駅:岡本/摂津本山)
阪急岡本駅とJR摂津本山駅が近接する山手のエリアで、区公式が「大学が点在する学生街」と記している一帯です(個別の大学名は市公式に記載がないため本ページでは挙げていません)。
標準地は岡本二丁目651,000円/㎡(+4.2%・区内2位)、岡本六丁目510,000円/㎡(+4.1%)、本山中町三丁目565,000円/㎡(+7.6%・区内4位)、本山北町六丁目558,000円/㎡(+6.3%・区内5位)、田中町二丁目480,000円/㎡(+6.7%)、本山北町一丁目339,000円/㎡(+5.9%)。商業地の岡本一丁目870,000円/㎡(+5.5%)は区内の商業地6地点で最高値です。
そして、このエリアにも丁目による断層があります。西岡本は五丁目が453,000円/㎡(+5.3%)、七丁目が161,000円/㎡(0.0%)。差は2.8倍です。成約では摂津本山73件・中央値4,100万円(平均徒歩8分)、岡本35件・中央値2,900万円(平均81㎡)、田中町28件・中央値3,950万円(平均64㎡)。岡本の成約中央値2,900万円が、地価の高さのわりに低く見えるのは、流通しているのが平均81㎡のマンション中心だからだと読むのが自然です(東灘区の成約731件のうち571件がマンション)。地区計画「岡本地区」の区域が設定されています。
本庄・深江・青木エリア(深江北町・深江本町・深江南町・本庄町・森北町)(最寄駅:深江/青木/甲南山手)
成約中央値が区内の駅別で最も低いエリアです。深江(阪神)が52件・中央値2,100万円・平均徒歩8分。御影(阪急)4,300万円の約半分(2.05倍の差)です。
標準地は深江北町一丁目425,000円/㎡(+6.2%・地積510㎡)、深江本町四丁目289,000円/㎡(+5.9%)、深江南町一丁目265,000円/㎡(+6.0%)、本庄町一丁目380,000円/㎡(+7.6%)。町丁目別の成約では深江南町が38件・中央値2,250万円・平均68㎡で区内最安。
ここで見落とせないのが工業地です。令和8年地価公示の工業地5地点のうち2地点が深江浜町にあり、深江浜町133番が+17.3%(176,000円/㎡)、深江浜町30番内が+15.0%(138,000円/㎡)。深江浜町133番の+17.3%は、東灘区の全地点(住宅地33・商業地6・工業地5)を通じて最大の上昇率です。住宅地の+4.7%と比べると3.7倍の勢いになります。
甲南山手側では、標準地の森北町六丁目247,000円/㎡(+2.1%)と森北町七丁目134,000円/㎡(0.0%)で1.8倍の差。成約個票では森北町の戸建(甲南山手駅徒歩15分・木造・2025年築・延床85㎡/土地85㎡)が4,800万円で成約しています。地区計画は「青木南地区」「青木駅南地区」「深江駅南地区」の3つ。
魚崎エリア(魚崎北町・魚崎南町・甲南町)― 灘五郷の酒蔵地区(最寄駅:魚崎)
灘五郷のうち魚崎郷にあたる酒造の町です。区公式は東灘区の主要産業として「灘五郷のうち魚崎郷・御影郷の酒造業。江戸期には『灘の生一本』として全国に知られる」と記しています。市の地区計画一覧にも「魚崎郷地区」が東灘区の7地区のひとつとして掲載されています。
成約は63件・中央値3,100万円・平均徒歩7分。平均徒歩7分は区内の駅別で最も短い水準です(アイランド北口の5分を除く)。標準地は魚崎北町八丁目390,000円/㎡(+5.4%)、魚崎南町七丁目255,000円/㎡(+2.8%)、魚崎南町三丁目220,000円/㎡(+7.3%)。町丁目別の成約は魚崎南町が40件・中央値2,800万円・平均70㎡です。
商業地では甲南町三丁目635,000円/㎡が+8.7%と、区内の商業地6地点で最大の上昇率を記録しています。工業地の魚崎南町三丁目1079番8は198,000円/㎡(+6.5%)で、区内の工業地5地点で最も高い単価です。同じ魚崎南町のなかに、住宅地の標準地(220,000円)と工業地の標準地(198,000円)が並んで存在している点は、購入前に隣地の現況を見る必要があることを示しています。
六甲アイランド(向洋町中)と、山手の高台(住吉台・鴨子ケ原・森北町七丁目)(最寄駅:アイランド北口/住吉)
最後に、東灘区で見落とされやすい2つの区域をまとめて扱います。性格は正反対ですが、共通点があります。どちらも駅から歩く街ではないということです。
【六甲アイランド】神戸市は「海面の埋め立てによっても市域を拡大してきました。特に昭和40年代以降は、港湾機能だけではなく『港』と『まち』の機能が併存するポートアイランドや六甲アイランドといった大規模な海上都市が建設された」と記しています。成約では向洋町中が100件・中央値3,100万円・平均89㎡で、区内の町丁目別で最多。区内731件の約14%がこの町丁目です。ところが令和8年地価公示の住宅地33地点のなかに、向洋町中の標準地は1地点もありません。区内で最もよく売買されている町に、土地の公的な値段の目安が存在しないということです。六甲ライナーのアイランド北口が最寄りで、成約の平均徒歩は5分と区内最短。地区計画「六甲アイランド都市機能ゾーン」の区域があります。
【山手の高台】住吉台115,000円/㎡(0.0%)、鴨子ケ原一丁目239,000円/㎡(+1.7%)、鴨子ケ原三丁目179,000円/㎡(+1.7%)、森北町七丁目134,000円/㎡(0.0%)、西岡本七丁目161,000円/㎡(0.0%)、住吉山手九丁目96,000円/㎡(0.0%)。区内の住宅地33地点のうち、安いほうから5地点がこの一帯に集中しています。しかも前年比0.0%だった4地点が、そのまま安いほうから1位・2位・3位・4位です。
神戸市の都市計画区域マスタープランは、六甲山系について「良好な緑地環境や風致の保全・育成」をはかり、六甲山系南側の市街地に面する斜面を「防砂の施設」として都市計画決定していると記しています。また東部山麓住宅地景観ガイドラインは、「相続などをきっかけに土地や建物が処分され、良好なまちなみが失われてしまうケースも増えている」と課題を示しています。山手の高台は「環境と景観を守る制度がかかっている一方で、価格は横ばい」という区域だと読むことができます。ただし因果関係を示す市の公表資料はありませんので、断定はしません。
※エリア区分と各エリアの記述は、神戸市東灘区・兵庫県・関係機関の公表資料にもとづいて作成しています。
05神戸市東灘区の交通
鉄道
東灘区はJR神戸線・阪急神戸線・阪神本線の3線が東西に並走し、さらに六甲ライナー(六甲アイランド線)が南北に走る区です。区公式は区の位置について「三宮まで15分、梅田まで30分」と記しています。神戸市内で、東西3線が並走し、なおかつ人工島への新交通システムを持つ区は東灘区だけです。
この「3線並走」は、東灘区の不動産を読むうえでいちばん大事な構造です。山手から浜手に向かって、阪急 → JR → 阪神という順に並んでいます。国土交通省の成約価格情報で駅別の中央値を見ると、阪急御影4,300万円/JR摂津本山4,100万円/JR住吉3,350万円/阪神魚崎3,100万円/阪神深江2,100万円。上位は阪急とJR、下位は阪神という並びになっています。
ただし、これを「山手が高くて浜手が安い」と単純化するのは正しくありません。04章で詳しく見ますが、令和8年地価公示で区内の安いほうから5地点は、いずれも浜手ではなく高台の住宅地です。東灘区の価格は「山手か浜手か」ではなく、「鉄道の駅まで歩けるかどうか」で決まっている面が強い、というのがデータの読み方です。
| 駅 | 路線 | 1日平均乗降人員 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 御影(阪急) | 阪急神戸線 | — | 成約中央値4,300万円(104件・平均徒歩10分)で区内の駅別トップ。神戸市の自転車等放置禁止区域一覧で東灘区に区分されている駅。阪急御影と阪神御影は別の駅で、位置が大きく異なります(阪急御影は山手、阪神御影は浜手寄り)。広告の「御影駅徒歩○分」がどちらの御影かは必ず確認してください。駅周辺の住宅地の標準地は御影郡家二丁目695,000円/㎡(区内最高・前年比+7.8%)、御影郡家一丁目495,000円/㎡(+7.1%) |
| 住吉(JR・六甲ライナー) | JR神戸線/六甲ライナー | — | 成約件数120件は区内最多(中央値3,350万円・平均徒歩8分)。JR住吉駅で六甲ライナー(六甲アイランド線)に接続し、区役所の最寄駅でもあります(区役所は住吉東町5丁目)。住宅地の標準地は住吉本町一丁目600,000円/㎡(+5.6%・区内3位)、住吉宮町三丁目393,000円/㎡(+6.5%・地積800㎡) |
| 摂津本山 | JR神戸線 | — | 成約中央値4,100万円(73件・平均徒歩8分)。区公式は阪急岡本駅・JR摂津本山駅周辺を「大学が点在する学生街」と記しています(個別の大学名は市公式に記載がないため本ページでは挙げていません)。周辺の標準地は本山中町三丁目565,000円/㎡(+7.6%)、本山北町六丁目558,000円/㎡(+6.3%) |
| 岡本 | 阪急神戸線 | — | JR摂津本山駅と近接する山手の駅。住宅地の標準地 岡本二丁目651,000円/㎡(+4.2%)は区内2位、岡本六丁目も510,000円/㎡(+4.1%)。商業地の岡本一丁目870,000円/㎡(+5.5%)は区内の商業地6地点で最高値です。地区計画「岡本地区」の区域。町丁目別の成約中央値は2,900万円(35件・平均81㎡) |
| 甲南山手 | JR神戸線 | — | 区の東部にあるJRの駅。神戸市の一覧で東灘区に区分されています。成約個票では森北町の戸建(甲南山手駅徒歩15分・木造・2025年築・延床85㎡/土地85㎡)が4,800万円、本山中町のマンション(徒歩12分・SRC・1987年築・65㎡)が2,900万円で成約。周辺の標準地は森北町六丁目247,000円/㎡(+2.1%)と森北町七丁目134,000円/㎡(0.0%)で、同じ森北町でも丁目によって1.8倍の差があります |
| 魚崎 | 阪神本線 | — | 成約中央値3,100万円(63件・平均徒歩7分)。灘五郷のうち魚崎郷の酒蔵地区で、地区計画「魚崎郷地区」の区域があります。標準地は魚崎北町八丁目390,000円/㎡(+5.4%)に対し、魚崎南町七丁目255,000円/㎡(+2.8%)・魚崎南町三丁目220,000円/㎡(+7.3%)。同じ魚崎でも北町と南町で差があります |
| 青木 | 阪神本線 | — | 区東部の阪神の駅。地区計画「青木南地区」「青木駅南地区」の2つが市の一覧に並んでいます。1つの駅の南側に地区計画が2件あるのは区内でここだけです(ただし各地区計画の区域と制限内容は未取得) |
| 深江 | 阪神本線 | — | 成約中央値2,100万円(52件・平均徒歩8分)は区内の駅別で最も低い水準。御影(阪急)の4,300万円とは2.05倍の差があります。標準地は深江北町一丁目425,000円/㎡(+6.2%・地積510㎡)、深江本町四丁目289,000円/㎡(+5.9%)、深江南町一丁目265,000円/㎡(+6.0%)。地区計画「深江駅南地区」の区域。工業地の深江浜町133番は前年比+17.3%で、区内の全地点を通じて最大の上昇率です |
| アイランド北口 | 六甲ライナー(六甲アイランド線) | — | 成約中央値3,200万円(50件・平均徒歩5分)。この駅は神戸市の駅別一覧(放置禁止区域・市営駐輪場)に掲載がなく、所在区を市公式で確認できていません(未取得)。ただし区公式は東灘区が「六甲アイランドを含む沿岸部を持つ」と記しており、六甲アイランド小学校・向洋小学校・向洋中学校も東灘区の市立学校として掲載されています。成約個票では向洋町中のマンション(徒歩6分・RC・2012年築・70㎡)が2,900万円 |
※乗降人員・乗車人員は、東灘区内のすべての駅について未取得です。神戸市統計書の「4 運輸・通信」に「4-1 鉄道市内各駅の乗車人員(JR西日本)」等の表がありますが、提供形式がExcel(バイナリ)のため本ページ作成時点で数値を読み取れませんでした。推測で数字を書くことはしませんので、表の該当欄はすべて「—」としています。
そのかわり、駅の「所在区」は神戸市公式で裏が取れています。神戸市の「自転車等放置禁止区域」一覧と「市営自転車駐車場一覧」は、駅を所在区ごとに分けて掲載している市の一次情報です。これによると東灘区の駅は、JR西日本(東海道本線/JR神戸線)の甲南山手・摂津本山・住吉、阪急電鉄(神戸線)の岡本・御影、阪神電気鉄道(本線)の深江・青木・魚崎・御影。市営駐輪場の一覧にも、東灘区として甲南山手駅前・深江駅前・青木駅前・岡本駅前・摂津本山駅前・JR住吉駅前(南)(北)・魚崎駅前・阪神御影駅前・阪急御影駅前が掲載されています。
ここは間違えやすいので、はっきり書いておきます。JR六甲道駅・阪急六甲駅・JR摩耶駅・阪急王子公園駅は灘区であって、東灘区ではありません。「六甲」を冠する駅は灘区、「御影・住吉・岡本」は東灘区、という切り分けです。ところが「六甲アイランド」は東灘区。名前は似ていますが、灘区の六甲(山手の住宅地)と東灘区の六甲アイランド(人工島)はまったく別の場所です。また三宮・元町・神戸の3駅はいずれも中央区です。
もうひとつ、東灘区には「阪急御影」と「阪神御影」の2つの御影駅があります。阪急御影は山手、阪神御影は浜手寄りで、位置が大きく異なります。成約価格情報でも「御影(阪急)」は104件・中央値4,300万円と区内トップですが、これは阪急側の数字です。物件広告の「御影駅徒歩○分」がどちらの御影を指しているかは、必ずご確認ください。
六甲ライナー(六甲アイランド線)については、市公式の区別一覧で確認できたのは住吉駅(JR住吉駅と接続)だけです。アイランド北口・南魚崎・アイランドセンター・マリンパークなど他の駅は、市公式での所在区の記載を確認できていません(未取得)。本ページでは、成約価格情報に東灘区の物件の最寄駅として現れる「アイランド北口」のみ、未取得である旨を明記したうえで掲載しています。
道路
いま東灘区でいちばん大きな道路の動きは、大阪湾岸道路西伸部です。神戸市の公表資料によると、六甲アイランド北〜駒栄、延長14.5km、6車線、設計速度80km/h。通過するのは東灘区・灘区・中央区の3区で、事業主体は国(国土交通省)と阪神高速道路株式会社です。阪神高速湾岸線と神戸山手線を接続する路線で、神戸市は大阪湾岸道路西伸部と神戸西バイパスを「ミッシングリンク」と位置づけています。起点の「六甲アイランド北」は東灘区です。ただし完成時期は現時点で未定と市が明記していますので、「いつ開通するか」を前提に購入判断をするのは避けてください。
既存の道路については、神戸市が阪神高速道路神戸線(京橋〜摩耶)で交通集中による渋滞が頻発していると公式に記しています。摩耶ICは灘区、京橋ICは中央区ですので、この渋滞区間そのものは東灘区の西側にあたります。東灘区から三宮・大阪方面へ車で通勤する方は、この区間の状況が日常のストレスに直結する可能性があります。内覧のときに、平日の朝夕の時間帯で一度通ってみることをおすすめします。
神戸市の道路網は広域幹線道路(高速道路など)→ 都市内幹線道路 → 補完的幹線道路の3階層で整理されています。また市はみちづくり計画を令和4年(2022年)5月に改定しています。ただし、国道2号・国道43号・阪神高速3号神戸線・5号湾岸線が東灘区内をどう通っているかという区単位の記載は、市公式では確認できていません(未取得)。本ページでは路線名と、市が明記している区間名のみを書いています。
東灘区は六甲山系の山麓から大阪湾の人工島までが区域で、区公式も「海と山に囲まれ」と記しています。つまり南北方向には高低差があります。自転車での移動のしやすさ、坂道の有無、冬場の路面状況は、同じ区内でも場所によってまったく違うと考えてください。神戸市は2024年度から「坂のまち神戸プロジェクト」を開始しており、「神戸の坂の魅力を一層活かし、課題については改善を図っていくための取り組み」と説明しています。市が「坂」を政策課題として扱っているという事実は、山手の物件を検討するときの参考になります。(指定されている坂のまちエリアリノベーション6エリアは兵庫山麓・鵯越駅/丸山駅・禅昌寺東部/高取山麓・塩屋・鈴蘭台駅・神鉄長田駅/名倉で、東灘区は含まれていません。)
※駅別の乗降人員・乗車人員は東灘区内の全駅について未取得です(神戸市統計書がExcel提供のみのため)。国道・阪神高速の区内経路、六甲ライナーの各駅の所在区も未取得です。出典:神戸市「大阪湾岸道路西伸部」//www.city.kobe.lg.jp/a59650/shise/kekaku/kensetsukyoku/wangan.html /神戸市「道路ネットワーク」 //www.city.kobe.lg.jp/a59650/kurashi/access/road/r_net.html /神戸市「みちづくり計画」//www.city.kobe.lg.jp/a83166/shise/kekaku/kensetsukyoku/michikei/index.html /神戸市「自転車等放置禁止区域」//www.city.kobe.lg.jp/a26843/kurashi/access/road/cyclehoutikinsi.html /神戸市「市営自転車駐車場一覧」//www.city.kobe.lg.jp/a26843/kurashi/access/road/cycleitiran/index.html /神戸市「坂のまち神戸プロジェクト」 //www.city.kobe.lg.jp/a01110/saka.html /東灘区「区の紹介」//www.city.kobe.lg.jp/b07715/kuyakusho/higashinadaku/shoukai/shoukai/index.html
06神戸市東灘区で家を買う前に必ず確認する「市街化調整区域」
兵庫県で家を探すとき、阪神間の平地しか見ていなかった方が最初につまずくのがこれです。
同じ市の中でも、駅前の市街地と山手・北部とで市街化区域と市街化調整区域が分かれています。
ここは、東灘区だけの数字ではなく神戸市全体の数字で書きます。神戸市は区別の市街化区域・市街化調整区域の面積を公表していません(未取得)。区域区分は計画図(図面)で示される仕組みで、区ごとの内訳の文章記載が見つからないためです。ここで区別の数字を推測で埋めることはしません。
神戸市全体では、神戸都市計画区域 約55,730haのうち、市街化区域が約20,244ha(36%)、市街化調整区域が約35,486ha(64%)です。市域の3分の2が市街化調整区域という構造で、これは政令指定都市としてかなり例外的な数字です。しかも神戸市の都市計画区域マスタープランは、市街化調整区域が主に六甲山系および北側山地(六甲山系、帝釈・丹生山系などの自然環境が豊かな森林地域)と、北区・西区の農村地域に分布すると記しています。
東灘区は六甲山系の山麓から大阪湾の人工島(六甲アイランド)までが区域です。区公式は「海と山に囲まれ」と記しています。この「山側」がどこから市街化調整区域になるのかは、物件ごとに神戸市情報マップ(Web GIS)または重要事項説明書で確認するしかありません。区内に市街化調整区域があるかどうかについても、区単位で明示した市の公表資料は確認できていません(未取得)。
もうひとつ、神戸市の区域区分には知っておく価値のある動きがあります。直近の変更で市街化区域が約151ha減り、市街化調整区域が約155ha増えました(変更前 市街化区域20,395ha/調整区域35,331ha → 変更後 20,244ha/35,486ha)。人口が減るなかで市街化区域を「広げる」のではなく「狭める」方向に動いているということです。神戸市は現在「第9回線引き見直し」の方針も公表しています。宅地として使える面積が制度として絞られていく方向にある、というのは中長期の土地の値段を考えるうえで押さえておきたい事実です。
| 区分 | 面積 | 構成比 |
|---|---|---|
| 市街化区域 | 20,244 ha | 36.3% |
| 市街化調整区域 | 35,486 ha | 63.7% |
| 合計(都市計画区域) | 55,730 ha | 100.0% |
※区域区分の決定・変更:区域区分(線引き)の当初決定は昭和45年(1970年)。決定・変更の年月日そのものは市の公表資料から確認できていません(未取得)
市街化調整区域だと何が起きるか
- 原則として建築を目的とした開発ができない=将来の建て替えに許可が要る、あるいはできない場合がある
- 住宅ローンの審査が通りにくい金融機関がある。取扱不可・融資比率を下げるなどの扱いになることがある
- 再建築不可・接道条件・既存宅地の扱いなど、物件ごとに個別確認が必須
- 一方で都市計画税がかからない=毎年のランニングコストは市街化区域より低い
都市計画税(税率0.3%)が課されるのは市街化区域内の土地・家屋のみです。神戸市の公式表現では「毎年1月1日現在に都市計画法による市街化区域に土地・家屋を所有している人」に課税されます。神戸市は市域の64%が市街化調整区域なので、北区・西区の調整区域内には都市計画税がかからない物件が存在します。ただし東灘区でそのような物件に当たる可能性は、区内の区域区分の分布が未取得のため本ページでは評価できません。市街化区域内であれば固定資産税1.4%と合わせて合計1.7%です(1.7%という合算値は当方の計算で、神戸市が1本で公表している数字ではありません)。
調べ方(ご自身でも確認できます)
- 市の都市計画情報(Web GIS)で住所を入力して区域を確認する
- 固定資産税の納税通知書を見る。都市計画税が課されていれば市街化区域、課されていなければ市街化調整区域の可能性が高い
- 重要事項説明書の「都市計画法にもとづく制限」欄を確認する
※家タダでは、ご検討中の物件が調整区域かどうか、再建築の可否、ローンが通る金融機関があるかを契約前に無料で調査します。物件URLをお送りください。
用途地域の面積内訳は、本ページには載せていません
多くのエリアページでは「その市区の用途地域は準工業地域が何%」といった表を載せます。本ページでは載せていません。理由は正直に書きます。神戸市が公表している用途地域の面積表から数値を読み取ったところ、個別の用途地域の面積を合計した値と、表に印字されている合計値が一致しませんでした。差はおよそ6,000haで、抽出のどこかに誤読があると考えられます。数字の確度が足りないものを、それらしく表にして載せることはしません(未取得扱い)。
確度をもって書けるのは次の点です。用途地域の合計面積として印字されているのは20,430ha(2025年12月8日現在)で、これは市街化区域20,244haと近い水準で整合しています。あわせて高度地区16,217ha・防火地域922ha・準防火地域5,942ha、そして地区計画等が3,697.8ha/95地区です。用途地域の全市的な見直しは1973・1982・1988・1996・2001・2007・2013・2018・2022年の計9回行われ、直近の全市見直しは2023年6月1日に施行されています。
2023年の見直しでは、神戸市は次のような緩和を行っています。住居系地域の幹線道路沿いで150㎡までの小規模店舗を許容、工業系地域の容積率・建ぺい率を200/60から300/80へ、駅周辺地区の容積率を200%から300%へ、従来制限されていた駅周辺で1,500㎡までの事務所・店舗を許容、住環境保全と多様な建替えのために容積率・建ぺい率を80/40から100/50へ。駅周辺の容積率が200%から300%に上がっているというのは、駅近のマンション供給に直接効く話です。東灘区の成約731件のうち571件(約78%)がマンションであることを考えると、この緩和は東灘区にとって無関係ではありません。ただし、東灘区内のどの区域にこの緩和が適用されたかまでは確認できていません(未取得)。
出典:神戸市「用途地域・高度地区」//www.city.kobe.lg.jp/a84931/areadistrict.html /神戸市「用途地域の見直し」//www.city.kobe.lg.jp/a84931/shise/kekaku/jutakutoshikyoku/youtominaoshi/index.html /「用途地域見直しのねらい」 //www.city.kobe.lg.jp/documents/14513/minaoshi_nerai2.pdf /神戸市「地区計画」 //www.city.kobe.lg.jp/a35466/shise/kekaku/jutakutoshikyoku/district/index.html
神戸市にしかない制度 ―「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」
神戸市で家を買うなら、東灘区を検討する方でも知っておく価値のある制度があります。「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」です。(「人と自然との共生ゾーン条例」は通称で、これが正式名称です。)1996年4月制定、2022年4月一部改正。市は目的を「西北神に広がる豊かな農業・農村地域を守るため」「計画的な土地利用や、住民による地区振興計画(里づくり計画)の作成などの取り組み」を推進するためと記しています。
この条例で指定されている農村用途区域は合計17,935ha(2023年12月現在)。内訳は農業保全区域8,913ha、環境保全区域8,375ha、集落居住区域402ha、特定用途区域245haです。神戸市の市域面積557.02km²=55,702haに対して、約32%にあたります(当方算出)。取組の担い手も市が公表しており、北区は66集落中65集落(98%)で協議会が設立され、50集落(76%)が里づくり計画を策定、西区は106集落中96集落(91%)で協議会が設立され、70集落(66%)が策定しています。
つまり、北区・西区あわせて172集落が対象です。これは東灘区の話ではありません。ですが、同じ神戸市のなかで何が起きているかを知っておくと、東灘区の価格の意味が分かります。神戸市の住宅地の平均価格は、区によって次のように違います。中央区363,538円/㎡・東灘区354,575円/㎡・灘区352,809円/㎡に対し、北区は58,056円/㎡、西区は74,694円/㎡。中央区と北区で6.3倍です。同じ市で、同じ固定資産税率1.4%・同じ都市計画税率0.3%、同じ教育委員会、同じ給食制度のもとで、土地の単価が6倍違う。この差を生んでいるのが、市街化調整区域64%という都市計画法の線引きと、その上にさらに重なる神戸市独自の条例による農村用途区域です。「開発されないこと」が住民の合意として制度化されているのが西北神で、その対極にあるのが東灘区の御影・住吉・岡本という構図になります。
東灘区を検討する方にとっての実務上の意味は、はっきりしています。東灘区の土地が高いのは「人気があるから」だけではなく、神戸市全体として宅地の供給余地が制度的に絞られているからでもある、ということです。市街化区域は直近の変更で151ha減っています。短期的に東灘区の土地が増えることは、制度上ほぼ考えられません。
出典:神戸市「人と自然との共生ゾーン」//www.city.kobe.lg.jp/a99375/shise/kekaku/kezaikankokyoku/symbiosis.html /条例本文 //www.city.kobe.lg.jp/documents/14587/202204_jyorei.pdf /区域概要図 //www.city.kobe.lg.jp/documents/14587/gaiyouzu_202312.pdf /神戸市「区域区分」 //www.city.kobe.lg.jp/documents/57660/kuikikubun.pdf /神戸市「市域の変遷」 //www.city.kobe.lg.jp/a89138/shise/about/energy/rekishi.html
六甲山系は「守る」側の制度がかかっている
東灘区の北側は六甲山系です。神戸市の都市計画区域マスタープランは、六甲山系について「良好な緑地環境や風致の保全・育成」をはかり、「山麓部における樹林整備などによる防災機能の強化」を推進すると記しています。さらに、六甲山系南側の市街地に面する斜面を「防砂の施設」として都市計画決定し、土砂災害対策と緑の保全・創出を実施しているとも書かれています。
「防砂の施設として都市計画決定」という表現は、実務上とても重い意味を持ちます。都市計画施設として決定された区域では、建築に制限がかかることがあるからです。東灘区の山手側の物件を検討する場合、その敷地が都市計画施設の区域にかかっていないかを必ず確認してください。ただし東灘区内のどこが防砂の施設として都市計画決定されているのか、その範囲は本ページ作成時点で確認できていません(未取得)。神戸市情報マップまたは都市計画情報検索で、住所単位でご確認いただく必要があります。
東灘区の地区計画は7地区。性格がばらばらです
神戸市全体では94地区の地区計画+防災街区整備地区計画1地区=計95地区、約3,697.8ha(2025年12月8日現在)。市街化区域20,244haの約18%が地区計画の網にかかっている計算です(当方算出)。神戸市で家を買うということは、何らかの地区ルールが乗っている土地を買う可能性が5分の1近くあるということになります。
このうち東灘区に該当するのは7地区です。
| 地区計画名 | 区域の性格(名称から読み取れる範囲) |
|---|---|
| 六甲アイランド都市機能ゾーン | 人工島(海面埋立てによる海上都市) |
| 岡本地区 | 阪急岡本駅周辺の住宅・商業地 |
| 阪神御影駅北地区 | 阪神御影駅の北側 |
| 青木南地区 | 阪神青木駅の南側 |
| 魚崎郷地区 | 灘五郷のうち魚崎郷(酒蔵地区) |
| 深江駅南地区 | 阪神深江駅の南側 |
| 青木駅南地区 | 阪神青木駅の南側 |
並べてみると、性格がまったく違うものが同じ区に同居しているのが分かります。酒蔵の「魚崎郷地区」、山手の住宅・商業地である「岡本地区」、海面を埋め立てた人工島の「六甲アイランド都市機能ゾーン」。この3つは、土地の成り立ちも、建っているものも、まったく別物です。「東灘区の相場」という一つの数字で考えることに無理があるというのは、地区計画の名前を並べるだけでも分かります。
各地区計画の決定年月日・区域面積・建築制限の具体的な内容は、本ページ作成時点で確認できていません(未取得)。地区計画がかかっている土地では、建ぺい率・容積率とは別に、建築物の用途・高さ・壁面の位置・最低敷地面積といった項目が定められていることがあります。該当しそうな区域の物件を検討する場合は、必ず神戸市住宅都市局で制限内容をご確認ください。
あわせて、神戸市には「神戸市地区計画及びまちづくり協定等に関する条例」(通称:まちづくり条例、1981年12月制定)があります。市の認定を受けたまちづくり協議会が、市長とまちづくり協定を締結できる仕組みで、2026年6月1日現在で20地区が締結しています。まちづくり協定は法律上の建築制限とは別の、地域の取り決めです。購入後に「知らなかった」とならないよう、該当地区かどうかの確認をおすすめします。
出典:神戸市「地区計画」//www.city.kobe.lg.jp/a35466/shise/kekaku/jutakutoshikyoku/district/index.html /神戸市「まちづくり協定」//www.city.kobe.lg.jp/a96653/kurashi/machizukuri/torikumi/agreement.html /神戸市 都市計画区域マスタープラン //www.city.kobe.lg.jp/documents/57660/kuikimaster.pdf /神戸市「都市計画情報検索」//www.city.kobe.lg.jp/a35466/business/kaihatsu/plan/search.html
07神戸市東灘区の固定資産税・都市計画税(毎年かかるコスト)
購入時の諸費用だけでなく、買ったあと毎年かかる税金も判断材料です。 仲介手数料は1回きりですが、固定資産税・都市計画税は所有している限り毎年発生します。
| 税目 | 税率 | 課税対象 |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 1.4% | 市街化区域・市街化調整区域を問わず課税 |
| 都市計画税 | 0.3% | 市街化区域内の土地・家屋のみ |
| 合計(市街化区域) | 1.7% | 課税標準額に対して |
固定資産税の税率は1.4%、都市計画税の税率は0.3%。いずれも神戸市が公表している値です。ただし「合計1.7%」という数字を神戸市が1本で公表しているページは確認できていません。上の表の1.7%は、この2つを当方が単純に足した数値です。正確を期すため明記しておきます。
固定資産税の納税義務者は、市の公式表現で「毎年1月1日現在に固定資産(土地・家屋・償却資産)を所有している人に対して、その年の4月1日から始まる年度分の税として課される」。都市計画税は「毎年1月1日現在に都市計画法による市街化区域に土地・家屋を所有している人」です。賦課期日は1月1日で、年の途中で売買した場合に市が按分して課税してくれるわけではありません。決済時の固都税精算金は、仲介手数料とは別にかかる実費です。
なお固定資産税が免税点未満の場合は、都市計画税も課税されません(市公式)。ただし土地・家屋の免税点の金額そのものは、神戸市の公表ページで確認できていません(未取得)。一般に言われる金額をここに書くことはしません。確認できたのは償却資産の150万円未満のみです。
2026年5月1日から、固定資産税関係証明の対面発行窓口が新長田合同庁舎に集約されます。東灘区にお住まいで証明書が必要な場合、窓口が区役所ではなくなる点にご注意ください。縦覧期間は毎年4月1日〜4月30日で、会場も新長田合同庁舎です。
住宅用地には課税標準の特例があります。小規模住宅用地(住宅1戸あたり200㎡以下の部分)は固定資産税で価格の6分の1、都市計画税で3分の1。一般住宅用地(それを超える部分)は固定資産税で3分の1、都市計画税で3分の2です。市の公式表現では「住宅用地の課税標準額は、評価額に特例率(住宅用地特例率)を乗じた額が上限となります」。
新築住宅の減額措置は、2026年4月1日で要件が変わりました。2026年3月31日までの新築は「居住部分の床面積が50㎡(一戸建以外の貸家住宅は40㎡)以上280㎡以下」でしたが、2026年4月1日以降の新築は「40㎡以上240㎡以下」になっています。共通要件は居住部分が家屋全体の2分の1以上、減額割合はいずれも2分の1。減額期間は一般住宅で3年度分、3階建以上の耐火・準耐火構造で5年度分(いずれも床面積40〜120㎡の部分。120〜240㎡は120㎡相当分)。認定長期優良住宅(2031年3月31日までの新築)は3年→5年、5年→7年に延長されます。
床面積の上限が280㎡から240㎡に下がった点は、東灘区で新築の戸建を建てる方には実際に効く可能性があります。東灘区の成約戸建160件の平均延床は118㎡なので中央値層は影響を受けませんが、区内には地積800㎡(住吉宮町三丁目)・510㎡(深江北町一丁目)といった大きな標準地もあり、大きな家を建てる方は要件の確認が必要です。
このほか神戸市は耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修に伴う減額措置、および長寿命化の大規模修繕工事をした分譲マンションへの減額措置を案内しています。東灘区の成約はマンションが571件(約78%)・平均築年1993年ですから、大規模修繕の減額措置は、東灘区のマンション購入では確認する価値のある制度です。
免税点
同一人が神戸市東灘区内に所有する資産の課税標準額の合計が次の額に満たない場合は課税されません。
| 区分 | 免税点 |
|---|---|
| 償却資産 | 1,500,000円 |
※納期:年4期。2026年度の納期限は第1期 2026年4月30日/第2期 7月31日/第3期 12月25日/第4期 2027年3月1日(納税通知書は2026年4月1日発送)/賦課期日(毎年1月1日)現在の所有者に課税
※税率・免税点は神戸市東灘区の公表資料にもとづく最新値です。税額は物件ごとの課税標準額により異なります。正確な税額は市の資産税課または納税通知書でご確認ください。
08神戸市東灘区の学区・子育て支援(住所で決まるもの)
神戸市東灘区が学校選択制を実施しているかどうかは、本ページ作成時点で公表資料から確認できていません。このページでは推測で書かない方針のため、断定していません。市が公表している範囲では、住所地によって通う小学校・中学校が定められています。物件選びの段階で通学区域を確認し、最終的な判断は市の教育委員会にご確認ください。神戸市の「指定学校の変更・区域外就学」のページには、「学校選択制」という語が一度も出てきません。実施しているとも、実施していないとも、市の公式本文からは確認できませんでした。そのため本ページでは断定していません。実在が確認できたのは、①指定学校の変更 ②区域外就学 ③小規模特認校 の3つの制度です。根拠規則は「神戸市学齢児童及び学齢生徒の就学に関する規則」。申請時期は「翌年4月に小学1年生になる方は10月以降に、中学1年生になる方は11月以降に、指定学校変更の手続ができます」と市が案内しています。
指定された学校以外に通えるケース(指定校変更)
指定校制でも、次の事由に当てはまれば指定校以外への就学が認められる場合があります。 「入学前に転居予定」「建て替え中の仮住まい」は多くの市で認められるため、 購入と入学のタイミングが重なる方は事前に教育委員会へ確認してください。
| 許可される事由 | 内容 |
|---|---|
| 1 身体的理由 | (1) 障害・病気により就学困難と認められる場合(医師の診断書等が必要。卒業までの必要と認める期間)。(2) 指定学校以外の特別支援学級に入級する場合(障害を証する書類等。入級期間中)。 |
| 2 転居に伴う理由 | (1) 1年以内に転居が確実な場合(建築確認書・売買契約書・賃貸借契約書等の写し。当該学年中の転居の日まで)。(2)ア 転居のため他校区に移った場合(卒業までの必要と認める期間)。(2)イ 新築・増改築により一時的に移った場合(入居の日まで)。(2)ウ 住宅融資手続きで住所と実際の居住地が一致しない場合(入居の日まで)。(3) 公共事業に協力して転居した場合(公共工事主体からの依頼書等。卒業までの必要と認める期間)。住宅の購入・建築と入学が重なる方に直接効くのがこの区分です。 |
| 3 校区変更等 | (1) 住居表示変更後、従前の学校の継続を希望する場合(卒業まで)。(2) 校区調整地区で教育長が指定した場合(卒業までの必要と認める期間)。なお神戸市は「当分の間、指定学校の変更を認める地区を定める要綱」を持ち、該当する地区の一覧をPDFで公表していますが、東灘区内の該当地区名は本ページ作成時点で確認できていません(未取得)。 |
| 4 家庭事情 | (1) 登校前後に監督者がいない場合(理由を証する書類。卒業まで)。(2) 指定学校変更済みの兄弟姉妹と同じ学校を希望する場合(卒業まで)。 |
| 5 通学利便性 | ア 片道2km以上(小学校)・3km以上(中学校)で負担軽減が必要な場合(卒業まで)。イ 公共交通機関の利用が認められている場合(卒業まで)。ウ 他校区を経由しない通学経路がない場合(卒業まで)。六甲山系の山麓・高台に住む場合、この「5 通学利便性」は他区より現実味のある区分です。 |
| 6 教育的理由 | いじめ・不登校・学校行事等で特別の配慮が必要な場合(理由を証する書類等。卒業までの必要と認める期間)。 |
| 7 小規模特認校 | 六甲山小学校・藍那小学校への就学を希望する場合(小規模特認校就学申請書・勤務時間等の書類。卒業まで)。制度の目的に「自然環境に恵まれ特色ある教育を推進している小規模な学校に通学することで…複式学級の解消など学校の活性化を図る」と明記されています。条件は「保護者及び児童・生徒がともに神戸市内に居住していること」「公共交通機関を利用し、自力でおおむね1時間以内で通学できること」等。六甲山小学校は灘区、藍那小学校は北区です(神戸市の市立小学校一覧の区分による)。 |
※許可基準・受付時期は毎年変わります。最終判断は神戸市東灘区の教育委員会です。必ず一次情報でご確認ください。
子育て支援は「市町村ごとに」違う
こども医療費助成や待機児童数は市町村が独自に決めているため、 隣の市に移るだけで条件が変わります。同じ兵庫県内でも、市が変われば条件が変わります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| こども医療費助成の対象 | 0歳〜高校3年生(18歳到達後、最初の3月31日まで) |
| 所得制限 | 所得制限なし(神戸市が公式に明記) |
| 一部自己負担 | 0〜2歳は通院・入院とも自己負担なし(0円)。3歳〜高校生の通院は2割負担で1日最大400円を月2回まで(3回目以降は自己負担なし)。※3歳〜高校生の入院時の自己負担については市公式ページで確認できていません(未取得) |
| 保育所等の待機児童数 | 0人(2026年4月1日時点・国の「保育所等利用待機児童数調査」基準。5年連続ゼロ) |
東灘区で学区を見るときの注意点
まず、神戸市に学校選択制があるかどうかから書きます。結論は「確認できていません」です。神戸市の「指定学校の変更・区域外就学」のページには、「学校選択制」という語が一度も登場しません。実施しているという記載も、実施していないという記載も、市の公式本文からは見つけられませんでした。ですので本ページでは「神戸市は学校選択制を実施していません」とは書きません。推測で断定すると、それを信じて物件を決める方が出てしまうからです。
実在が確認できた制度は3つです。①指定学校の変更、②区域外就学、③小規模特認校。このうち住宅購入と直接関係するのは①で、上の表に神戸市が公表している7分類の事由をすべて掲載しました。とくに「2 転居に伴う理由」は、家を買う方のためにあるような区分です。「1年以内に転居が確実な場合」は建築確認書・売買契約書・賃貸借契約書等の写しを添えて申請でき、「新築・増改築により一時的に移った場合」は入居の日まで従前校に通えます。購入と入学のタイミングが重なる方は、契約前の段階で区の窓口に相談しておく価値があります。
申請の時期も決まっています。市は「翌年4月に小学1年生になる方は10月以降に、中学1年生になる方は11月以降に、指定学校変更の手続ができます」と案内しています。年内に動く必要があるということです。
「当分の間、指定学校の変更を認める地区」という制度がある
神戸市には、もうひとつ知っておく価値のある仕組みがあります。「当分の間、指定学校の変更を認める地区を定める要綱」です。特定の地区に住んでいる場合、指定校以外を選べるという制度で、市は該当地区の一覧をPDFで公表しています。
ただし、東灘区内のどの地区が該当するかは、本ページ作成時点で確認できていません(未取得)。この制度は学区の価値に直接影響しますので、検討中の住所が該当するかどうかは、必ず神戸市教育委員会にご確認ください。「この学区だから」という理由で価格の上乗せを受け入れる前に、そもそもその地区が変更を認められている地区ではないかを確認する価値があります。
東灘区の学校 ― 5つの旧町村と、人工島
東灘区には市立小学校14校・市立中学校7校があります。
| 区分 | 校数 | 学校名 |
|---|---|---|
| 市立小学校 | 14校 | 東灘/本庄/本山南/福池/魚崎/本山第一/本山第二/本山第三/住吉/御影/渦が森/御影北/六甲アイランド/向洋 |
| 市立中学校 | 7校 | 本庄/魚崎/本山南/本山/住吉/御影/向洋 |
学校名を並べると、東灘区の成り立ちがそのまま出てきます。御影・住吉・魚崎・本庄・本山は、1950年に東灘区になる前の5つの町村の名前です。とくに本山は第一・第二・第三・南と4校あり、1889年に8村を統合してできた本山村の規模の大きさがうかがえます。(「本山」という名は、本庄と山路荘から命名されたと区公式が記しています。)
そして六甲アイランド小学校・向洋小学校・向洋中学校は人工島の学校です。戦後に合併した5町村の学校と、昭和40年代以降に海を埋め立ててつくった島の学校が、同じ区に並んでいる。これは東灘区でしか起きていないことです。実際、国土交通省の成約価格情報で東灘区内の町丁目別の成約件数を見ると、いちばん多いのは向洋町中の100件(中央値3,100万円・平均89㎡)。区内731件のうち約14%が六甲アイランドの物件です。「東灘区で家を買う」と言ったとき、7件に1件は人工島の物件だということになります。
1校あたりの人口も計算しておきます。東灘区は209,399人/14校で約1.5万人、灘区は131,668人/13校で約1.0万人、中央区は142,356人/9校で約1.6万人(いずれも当方算出)。東灘区は中央区に近く、灘区より1校あたりの人口が多い水準です。
給食は「小学校だけ無償」。ここは必ず正確に
神戸市の給食無償化は、2026年度の小学校のみです。市は「市立小学校・義務教育学校(前期課程)・特別支援学校(小学部)の学校給食を、従来の量と質を維持したまま、公費負担により無償化します」「これらの学校の保護者からは学校給食費を徴収しません」と明記しています。
中学校は有償です。「生徒:1食あたり170円(牛乳代30円を含む)」で、年間の徴収額として市が示している例は31,230円で、9期に分割して納付します。ただし市は「子育て世帯の経済的負担軽減を図るため給食費の助成をしています」とも記しています。お子様が小学生から中学生に上がるタイミングで、家計の前提が変わるということです。住宅ローンの返済計画を立てるときに、この点は覚えておく価値があります。
就学援助の基準も公表されています。所得基準の目安は2人世帯176万1千円/3人世帯223万4千円/4人世帯266万4千円。新入学学用品費は小学1年生64,300円・小学6年生81,000円・中学校81,000円。定期申請は2026年4月1日〜5月19日(消印有効)、随時申請は5月20日〜2027年2月5日で、電子申請(e-KOBE)または郵送で手続きできます。
待機児童は5年連続ゼロ。ただし「保留児童」は別の話
神戸市は「2026年4月1日時点で、国の『保育所等利用待機児童数調査』に基づく『保育所等利用待機児童数』は、5年連続でゼロとなりました」と公表しています。これは神戸市を選ぶうえで、はっきりした強みです。
ただし、正確に書いておきます。国の定義による「待機児童」と、実際に希望園に入れなかった「保留児童」は別物です。神戸市は保留児童の区別内訳の資料を別に公表していますが、東灘区の保留児童数は本ページ作成時点で確認できていません(未取得)。「待機児童ゼロだから必ず入れる」という読み方はできません。東灘区内の保育所数・定員・学童の状況も、区のページに集計値の掲載がなく未取得です。入所を前提に住まいを決める方は、区役所のこども家庭支援の窓口で、検討中の住所の周辺の実情を直接ご確認ください。
出典:神戸市「指定学校の変更・区域外就学」//www.city.kobe.lg.jp/a80876/kosodate/gakko/school/area/kouku/kuikigai.html /「指定学校の変更について」 //www.city.kobe.lg.jp/documents/66486/r7shiteigai.pdf /「当分の間指定学校の変更を認める地区」 //www.city.kobe.lg.jp/documents/66486/shiteigai_hyou.pdf /「小規模特認校」 //www.city.kobe.lg.jp/a80876/kosodate/gakko/school/area/tokuninkou.html /「市立小学校一覧」 //www.city.kobe.lg.jp/a61516/kosodate/education/gakkoen/syougatukou.html /「市立中学校一覧」 //www.city.kobe.lg.jp/a61516/kosodate/education/gakkoen/tyugatukou.html /「学校給食費」 //www.city.kobe.lg.jp/a54017/kosodate/gakko/school/lunch/nagare/kyusyokuhi/index.html /「就学援助」 //www.city.kobe.lg.jp/a80876/kosodate/shien/scholarship/enter/index.html /「待機児童数」 //www.city.kobe.lg.jp/z/kodomokatekyoku/shienbu/taikijido-su.html
09神戸市東灘区で家を買う前に必ず確認したい点
1|土砂災害警戒区域は東灘区で137箇所。指定しているのは兵庫県です
まず、誰が指定しているかから整理します。 神戸市は公式に「兵庫県は法令に基づき、順次、基礎調査を実施したうえで、 『土砂災害警戒区域(イエローゾーン)』及び『土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)』を指定しています」と 記しています。神戸市ではなく兵庫県が指定主体です。
兵庫県が公表している「令和8年6月30日現在の指定状況」によると、 神戸市9区の土砂災害警戒区域(イエローゾーン)の箇所数は次のとおりです。
| 区 | 急傾斜地の崩壊 | 土石流 | 地すべり | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 東灘区 | 117 | 19 | 1 | 137 |
| 灘区 | 145 | 31 | 0 | 176 |
| 中央区 | 108 | 47 | 0 | 155 |
| 兵庫区 | 86 | 35 | 1 | 122 |
| 長田区 | 167 | 19 | 0 | 186 |
| 須磨区 | 238 | 64 | 4 | 306 |
| 垂水区 | 195 | 13 | 2 | 210 |
| 西区 | 176 | 30 | 0 | 206 |
| 北区 | 611 | 224 | 23 | 858 |
| 神戸市計 | 1,843 | 482 | 31 | 2,356 |
東灘区の137箇所は、神戸市9区のなかで少ないほうから2番目です。 最も少ないのは兵庫区の122箇所で、東灘区はそれに次ぐ水準。北区858箇所の約6分の1です。 「六甲山系の山麓を抱える区」としては、むしろ少ないほうだということになります。 参考までに、兵庫県全体では急傾斜14,209・土石流6,988・地すべり356の合計21,553箇所です。
ただし、これを「東灘区は土砂災害リスクが低い」と読むのは早計です。 理由は2つあります。
- 上の表は「警戒区域(イエローゾーン)」の箇所数です。 建築規制がかかる「特別警戒区域(レッドゾーン)」の箇所数は、 本ページ作成時点で取得できていません(未取得)。 レッドゾーンに指定されると居室を有する建築物に構造規制がかかり、担保評価にも影響します。 物件単位の確認が必須です。
- 箇所数が少なくても、その1箇所があなたの検討中の物件かもしれません。 東灘区内のどこに137箇所が分布しているかは、確認できていません(未取得)。 神戸市は区版の「くらしの防災ガイド」(記事面PDF+地図面)を配布していますが、 区域の情報は地図面の画像にあり、文字として取得できませんでした。 必ず神戸市のWeb版ハザードマップで住所を入力して確認してください。
出典:兵庫県「令和8年6月30日現在の土砂災害警戒区域等の指定状況」 //web.pref.hyogo.lg.jp/ks15/documents/0630shiteijoukyou.pdf / 神戸市「土砂災害警戒区域等」 //www.city.kobe.lg.jp/a19183/bosai/prevention/preparation/sand/doshasaigaikuiki.html
2|東灘区は「津波浸水想定区域のある7区」の1つ。ただし対策は2023年3月に完了
神戸市は津波について、はっきりした数字を公表しています。
「神戸市では、1000年に一度の確率で発生する津波の対策が、2023年3月に完了しています。」
対策の内容は、防潮堤の「嵩上げ」「洗掘防止」「目地開き対策」を実施し、 「防潮堤を『粘り強い』構造に整備しました」というもの。 市は「対策前の浸水想定区域と比較すると、浸水範囲が大幅に減少していることがわかります」と 記しています。
津波のレベルについても定義が公表されています。 レベル1津波(L1)は「概ね100年〜150年間隔で繰り返し発生しているマグニチュード8クラスの地震に伴い 発生するとされる津波」、 レベル2津波(L2)は「1000年に一度の確率で発生する可能性のあるマグニチュード9クラスの地震に伴い 発生するとされる津波」。 そして津波浸水想定区域があるのは、東灘区・灘区・中央区・兵庫区・長田区・須磨区・垂水区の7区で、 北区・西区は浸水しないと見込まれています。
東灘区は、その7区のうちの1つです。 区域には六甲アイランドという人工島と、深江浜町・魚崎浜町・住吉浜町という臨海部が含まれます。 国土交通省の成約価格情報で区内最多の100件が向洋町中(六甲アイランド)であることを考えると、 東灘区で物件を検討する方の相当数が、臨海部の物件を見ることになるはずです。
ここで必ずやっていただきたいことがあります。 神戸市は土砂災害・水害ハザードマップとは別に、高潮ハザードマップを公開しています。 Web版ハザードマップは平成27年5月から公開されており、 任意の地点を中心とした「オリジナルの避難マップ」を印刷できる機能があります。 検討中の物件の住所で、土砂災害・水害と高潮の両方を確認してください。
正直に書いておくと、 東灘区内の津波・高潮・洪水の浸水想定の具体的な数値(浸水深・浸水範囲)は、 本ページ作成時点で確認できていません(未取得)。 区版の「くらしの防災ガイド」はこの情報を地図面の画像で提供しており、文字として取得できませんでした。 また神戸市を流れる主要河川の多くは兵庫県管理で、洪水浸水想定区域図は兵庫県が指定・公表しています。 数字が必要な場合は、Web版ハザードマップまたは兵庫県の河川部局でご確認ください。
出典:神戸市「津波対策の完了について」 //www.city.kobe.lg.jp/a46366/tsunamitaisaku/tsunamikanryou.html / 神戸市「ハザードマップ」 //www.city.kobe.lg.jp/a19183/bosai/prevention/map/tokubetugou_new/index.html / 神戸市 土砂災害・水害ハザードマップ //www2.wagmap.jp/kobecity/PositionSelect?mid=19 / 神戸市 高潮ハザードマップ //www2.wagmap.jp/kobecity/PositionSelect?mid=113 / 東灘区版「くらしの防災ガイド」 //www.city.kobe.lg.jp/documents/28756/higashinada.pdf
3|六甲山系南側の斜面は「防砂の施設」として都市計画決定されている
東灘区の山側を検討する方に、いちばん見落とされやすい論点です。 神戸市の都市計画区域マスタープランは、六甲山系についてこう記しています。
「良好な緑地環境や風致の保全・育成」をはかり、 「山麓部における樹林整備などによる防災機能の強化」を推進する。 六甲山系南側の市街地に面する斜面を防砂の施設として都市計画決定し、 土砂災害対策と緑の保全・創出を実施する。
「都市計画決定されている」という言葉は、不動産の実務ではとても重い意味を持ちます。 都市計画施設の区域内では、建築に制限がかかることがあるからです。 都市計画法第53条にもとづく建築許可が必要になる場合があり、 許可されても階数や構造に条件がつくことがあります。
ただし、東灘区内のどこが防砂の施設として都市計画決定されているのか、 その具体的な範囲は本ページ作成時点で確認できていません(未取得)。 神戸市は都市計画情報を「神戸市情報マップ」(Web GIS)と 「都市計画情報検索」で提供しており、住所単位で照会する方式です。 山側の物件を検討する場合は、必ずこの2つで確認してください。
出典:神戸市 都市計画区域マスタープラン //www.city.kobe.lg.jp/documents/57660/kuikimaster.pdf / 神戸市「都市計画情報検索」 //www.city.kobe.lg.jp/a35466/business/kaihatsu/plan/search.html / 神戸市情報マップ //www2.wagmap.jp/kobecity/Portal
4|「東部山麓住宅地景観ガイドライン」― 相続と敷地分割の話
神戸市は1978年に「神戸市都市景観条例」を制定しています。 全国でも早い時期の景観条例で、1982年に基本計画、2021年に大幅改定されました。 市は「海・斜面・山という変化に富んだ地形」を活かし、 景観を「保全・育成・創造」する方針を掲げています。
このうち東灘区に直接かかわるのが「東部山麓住宅地景観ガイドライン」です。 対象は「東灘区から中央区に広がる」山麓住宅地。 神戸市は策定の背景を、次のように説明しています。
明治後期から長い歴史のなかで「風格のある住宅地景観を形成」してきた地域であるが、 「相続などをきっかけに土地や建物が処分され、良好なまちなみが失われてしまうケースも増えている」。
この一文は、東灘区の山手を検討する方にそのまま関係します。 「相続をきっかけに土地が処分される」というのは、 実務的には大きな敷地が分割されて売りに出るということを意味します。 実際、東灘区の地価公示の標準地には 住吉宮町三丁目800㎡、深江北町一丁目510㎡、本山中町三丁目505㎡、御影郡家二丁目366㎡といった 大きな敷地が残っています。 一方で成約している戸建の土地面積は125㎡・110㎡・100㎡・85㎡です。
つまり、大きな敷地が分割されて100㎡前後で流通している、という構図が数字から読めます。 ガイドラインは「建築等を行う際の配慮事項」を定めるものですので、 山麓の住宅地で新築・建替えを計画する場合、配慮事項の確認が必要になります。 対象区域の具体的な町名は未取得ですので、 検討中の住所が対象かどうかは神戸市住宅都市局にご確認ください。
出典:神戸市「東部山麓住宅地景観ガイドライン」 //www.city.kobe.lg.jp/a30028/shise/kekaku/jutakutoshikyoku/scene/99_others/02_toubusannroku.html / 神戸市「景観のルール」 //www.city.kobe.lg.jp/a30028/shise/kekaku/jutakutoshikyoku/scene/01_keikanrule/index.html / 神戸市 景観計画 //www.city.kobe.lg.jp/documents/74223/keikankeikaku_kaiseigo.pdf
5|地区計画7地区と、まちづくり協定
神戸市全体で地区計画は95地区・約3,697.8ha。 市街化区域20,244haの約18%が地区計画の網にかかっています(当方算出)。 神戸市で家を買うということは、5分の1近い確率で何らかの地区ルールが乗った土地を買うということです。
東灘区の7地区は次のとおりです。
| 地区計画名 | 関連する駅・区域 |
|---|---|
| 六甲アイランド都市機能ゾーン | 六甲アイランド(人工島) |
| 岡本地区 | 阪急岡本駅周辺 |
| 阪神御影駅北地区 | 阪神御影駅の北側 |
| 青木南地区 | 阪神青木駅の南側 |
| 魚崎郷地区 | 阪神魚崎駅周辺(灘五郷の魚崎郷) |
| 深江駅南地区 | 阪神深江駅の南側 |
| 青木駅南地区 | 阪神青木駅の南側 |
7地区のうち5地区が阪神本線の駅の周辺(阪神御影・青木×2・魚崎・深江)です。 地価公示で見ると阪神沿線側は御影本町三丁目209,000円/㎡、深江南町一丁目265,000円/㎡、 魚崎南町三丁目220,000円/㎡と、区内では中位から下位の水準。 比較的単価の低い区域に地区計画が集中しているという並びになっています。 ただし、なぜそうなっているかを説明する市の資料は確認できていません。 事実として並べるところまでにとどめます。
各地区計画の決定年月日・区域面積・建築制限の具体的内容は未取得です。 地区計画がかかる土地では、建ぺい率・容積率とは別に、 建築物の用途・高さ・壁面の位置・最低敷地面積などが定められていることがあります。 「用途地域:第一種住居地域」という1行だけでは判断できません。
あわせてまちづくり協定もご確認ください。 「神戸市地区計画及びまちづくり協定等に関する条例」(1981年12月制定)にもとづく仕組みで、 2026年6月1日現在で20地区が市長と協定を締結しています。 これは法律上の建築制限とは別の、地域の取り決めです。
出典:神戸市「地区計画」 //www.city.kobe.lg.jp/a35466/shise/kekaku/jutakutoshikyoku/district/index.html / 神戸市「まちづくり協定」 //www.city.kobe.lg.jp/a96653/kurashi/machizukuri/torikumi/agreement.html
6|マンションを買う場合 ― 成約の78%がマンション、平均築1993年
東灘区の成約731件のうち571件(約78%)がマンションで、 中央値2,900万円・平均専有75㎡・平均築年1993年です。 平均で築30年を超えているということになります。
ここで知っておく価値があるのが、神戸市の税制です。 神戸市は「長寿命化の大規模修繕工事をした分譲マンションへの減額措置」を案内しています。 あわせて耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修に伴う減額措置もあります。 築年の古いマンションを買って修繕に関わる立場になる方は、 この制度の存在を知っておくと、管理組合の議論の見え方が変わります。
実務上、確認すべきは次の点です。
- 管理組合の運営状況と、修繕積立金の水準。 築30年を超えるマンションでは、積立金が将来の修繕費に足りているかが資産価値を左右します
- 長期修繕計画の有無と、直近の大規模修繕の履歴。 2回目・3回目の大規模修繕が視野に入る築年です
- 成約個票では向洋町中のマンション(2012年築・RC・70㎡)が2,900万円、 本山中町のマンション(1987年築・SRC・65㎡)も2,900万円。 築25年の差があっても同じ価格帯で成約しているということは、 立地と管理状態で評価が決まっている可能性を示しています
出典:神戸市「長寿命化の大規模修繕工事をした分譲マンションへの減額措置」 //www.city.kobe.lg.jp/a72594/kurashi/tax/kotei/sansyo4/mansyon.html / 国土交通省 不動産情報ライブラリ 成約価格情報(直近4四半期・神戸市東灘区731件)
7|ご自身で調べられること(神戸市の公式ツール)
神戸市は、住所単位で調べられる公式ツールを揃えています。 物件を見に行く前に、この5つは必ず開いてください。
| ツール | 何が分かるか |
|---|---|
| 都市計画情報検索 | 用途地域・地区計画・都市計画施設などの指定 |
| 神戸市情報マップ | 都市計画図、各種図面(PC版・スマホ版あり) |
| 土砂災害・水害ハザードマップ | 土砂災害警戒区域、浸水想定。避難マップの印刷機能あり |
| 高潮ハザードマップ | 高潮の想定。水害ハザードマップとは別です |
| 固定資産税路線価図 | 固定資産税評価の基礎となる路線価 |
家タダでは、ご検討中の物件について 用途地域・接道・再建築の可否・地区計画の有無・ハザードの評価を契約前に無料で調査します。 東灘区は地区計画7地区、土砂災害警戒区域137箇所、津波浸水想定区域のある区で、 さらに同じ町名でも丁目で単価が3.5倍変わる区です。 物件情報の1行だけでは、判断材料として足りません。
出典:神戸市「都市計画情報検索」 //www.city.kobe.lg.jp/a35466/business/kaihatsu/plan/search.html / 神戸市情報マップ //www2.wagmap.jp/kobecity/Portal / 土砂災害・水害ハザードマップ //www2.wagmap.jp/kobecity/PositionSelect?mid=19 / 高潮ハザードマップ //www2.wagmap.jp/kobecity/PositionSelect?mid=113 / 固定資産税路線価図 //www.city.kobe.lg.jp/a87426/kurashi/tax/kotei/rosen_main/index.html
10東灘区の成り立ち ― 5つの町村、灘の生一本、そして1,470人
東灘区という区の名前は、ちょっと変わった経緯でついています。 神戸市東灘区の公式ページは、こう記しています。
地元は「灘区」を主張したが、神戸市は西隣にすでに「灘区」を有していたため問題となり、 最終的に「灘の東」の意味で「東灘区」と命名された。
つまり「東灘」という地名が先にあったのではなく、 「灘」を名乗りたかったが先約がいたので「灘の東」になったということです。 地元が「灘」を名乗りたがった理由は、次に書く酒造の歴史にあります。
1889年、5つの町村ができる
1889年(明治22年)4月1日、市制・町村制の施行で、 いまの東灘区の区域に5つの町村が成立します。
| 町村 | 成り立ち |
|---|---|
| 御影町 | 4村が合併して成立 |
| 住吉村 | — |
| 魚崎村 | 2村が合併して成立。1914年に町制施行 |
| 本庄村 | 3村が合併して成立 |
| 本山村 | 8村を統合。「本山」は本庄と山路荘から命名 |
同じ1889年4月1日、神戸区に葺合村・荒田村を合併して神戸市が誕生しています。 そのときの神戸市の面積は約21km²。 いまの東灘区にあたる地域は、このとき神戸市ではありませんでした。
注目したいのは本山村です。 8村を統合してできた村で、名前は本庄と山路荘から取られました。 いまも本山第一・本山第二・本山第三・本山南の4つの小学校と 本山中学校・本山南中学校があり、 町名も本山中町・本山北町・本山南町と残っています。 地価公示の標準地も本山中町三丁目565,000円/㎡、本山北町六丁目558,000円/㎡、 本山南町五丁目436,000円/㎡、本山北町一丁目339,000円/㎡の4地点。 100年以上前の村の範囲が、いまの町名・学校名・標準地の配置にそのまま残っています。
灘五郷の「魚崎郷」と「御影郷」― 灘の生一本
東灘区の主要産業について、区公式はこう記しています。
灘五郷のうち魚崎郷・御影郷の酒造業。江戸期には「灘の生一本」として全国に知られる。 ほかに水車業、御影石の切り出し。
「灘」という地名のブランドは、この酒造業から来ています。 東灘区の地元が1950年の区制施行時に「灘区」を名乗りたがったのは、 自分たちこそが灘五郷の中心だという自負があったからだと読むのが自然です。 (ただしその意図を市公式が説明しているわけではありませんので、断定はしません。)
この酒造の歴史は、いまも都市計画に残っています。 神戸市の地区計画一覧に、東灘区の7地区のひとつとして「魚崎郷地区」があるからです。 江戸時代の酒造地区の名前が、そのまま現代の地区計画の名前になっている。 これは東灘区でしか見られない形です。
あわせて「水車業」と「御影石の切り出し」も記されています。 水車は酒米を精米するための動力で、六甲山系から流れ下る急な川がその条件をつくりました。 御影石は、御影という地名そのものが石材の名称になったものです。 いまの東灘区の町名(御影郡家・御影山手・御影石町・御影本町・御影塚町)に「御影」が並ぶのは、 この歴史の上にあります。 そして御影石町という町名は、石材産業の名残をいちばん直接に伝えています。
1950年、東灘区の誕生
神戸市は「1947年から1958年にかけて、現在の東灘区や西北神地域を合併」し、 「28町村と合併した結果、面積は当初の25倍近くに相当する約530km²まで増加しました」と 記しています。 その流れのなかで東灘区が生まれます。
| 年月日 | できごと |
|---|---|
| 1950年4月1日 | 御影町・魚崎町・住吉村が神戸市と合併し、区制施行。東灘区が誕生 |
| 1950年10月10日 | 本庄村・本山村が加わり、現在の区域が完成 |
同じ年に2段階で区域が確定しているのが東灘区です。 4月に3町村、10月に2村。 この「5つの町村が1つの区になった」という成り立ちが、 いまの東灘区の性格をかなりの部分まで説明します。
御影・住吉・魚崎・本庄・本山。 この5つの名前は、いまも小学校名(御影・住吉・魚崎・本庄・本山第一〜第三・本山南)、 中学校名(御影・住吉・魚崎・本庄・本山・本山南)、 そして町名として残っています。 国土交通省の成約価格情報を町丁目別に見ると、 価格帯がこの旧町村の単位でまとまる傾向が見えます。 住吉本町5,100万円、御影山手4,600万円、本山南町4,250万円に対し、 魚崎南町2,800万円、深江南町(旧本庄村域)2,250万円。 100年以上前の町村の境界が、いまの価格帯にうっすらと残っているように見えます。 (もちろん因果関係を示す資料はありませんので、断定はしません。)
昭和40年代以降 ― 海を埋め立てて、島をつくる
神戸市は市域の拡大について、合併だけでなく埋立てにも触れています。
「海面の埋め立てによっても市域を拡大してきました。 特に昭和40年代以降は、港湾機能だけではなく『港』と『まち』の機能が併存する ポートアイランドや六甲アイランドといった大規模な海上都市が建設された」
六甲アイランドは、東灘区の区域です。 区公式も東灘区について「海と山に囲まれ、六甲アイランドを含む沿岸部を持つ」と記しています。 島には六甲アイランド小学校・向洋小学校・向洋中学校があり、 地区計画「六甲アイランド都市機能ゾーン」が設定されています。
数字で見ると、この島の存在感は相当なものです。 国土交通省の成約価格情報で、東灘区内の町丁目別の成約件数トップは向洋町中の100件 (中央値3,100万円・平均89㎡)。 区内731件の約14%がこの町丁目です。 1889年に5つの村だった区に、海を埋め立ててつくった島が加わり、 いまではそこが区内でいちばん売買される場所になっている。 東灘区の150年は、この一文に要約できます。
1995年1月17日
そして、東灘区の歴史でいちばん重い一行です。
1995年1月17日の阪神・淡路大震災で、 行政区単位で最大の1,470人の死者を記録。歴史的資産も多く失われた。
神戸市9区のなかで、最も多くの方が亡くなったのが東灘区です。 「歴史的資産も多く失われた」というのは、 江戸期からの酒蔵をはじめとする建物のことを含んでいると読めます。
震災後、神戸市は13地区で震災復興土地区画整理事業を施行しました。 市が公表している地区名は森南第一・森南第二・森南第三・六甲道駅北・六甲道駅西・松本・ 御菅東・御菅西・新長田駅北・鷹取東第一・鷹取東第二(13地区のうち11地区分)。 このうち森南第一・森南第二・森南第三が東灘区(森南町)にあたります (ページに所在区の明記はなく、地区名からの判断です)。 また市は1995年3月17日に震災復興市街地再開発事業として六甲道駅南地区・新長田駅南地区の 2地区を都市計画決定しています。 震災から2か月後です。
いまの東灘区の街並みは、この復興の上に立っています。 成約データで見ると、東灘区の戸建160件の平均築年は2005年。 マンション571件の平均築年は1993年です。 マンションは震災前の建物が平均値に残り、戸建は震災後に建て替わったものが中心という 読み方ができます。 1981年6月の新耐震基準、2000年の木造住宅の基準強化。 東灘区で中古を買うなら、築年は必ず確認してください。
年表
| 年 | できごと |
|---|---|
| 江戸期 | 灘五郷の魚崎郷・御影郷で酒造業。「灘の生一本」として全国に知られる。 水車業、御影石の切り出しも行われる |
| 1889年(明治22年)4月1日 | 市制・町村制施行。御影町・住吉村・魚崎村・本庄村・本山村が成立。 同じ日に神戸市が誕生(神戸区に葺合村・荒田村を合併、面積約21km²) |
| 1914年(大正3年) | 魚崎村が町制を施行し、魚崎町になる |
| 1941年(昭和16年)7月1日 | 神戸市の面積が115.05km²に |
| 1947〜1958年 | 神戸市が28町村と合併。面積は当初の25倍近くの約530km²に (現在の東灘区や西北神地域) |
| 1950年(昭和25年)4月1日 | 御影町・魚崎町・住吉村が神戸市と合併し、東灘区が誕生。 区名は「灘の東」の意味 |
| 1950年10月10日 | 本庄村・本山村が編入され、現在の区域が完成 |
| 昭和40年代以降 | 海面の埋め立てによりポートアイランド・六甲アイランドが建設される |
| 1970年(昭和45年) | 神戸市が区域区分(線引き)を当初決定 |
| 1973年 | 神戸市が用途地域・高度地区を当初指定(以降2022年まで計9回の全市見直し) |
| 1978年 | 神戸市都市景観条例を制定(全国に先駆けた景観条例) |
| 1981年12月 | 神戸市地区計画及びまちづくり協定等に関する条例(まちづくり条例)を制定 |
| 1982年 | 都市景観の基本計画を策定 |
| 1995年(平成7年)1月17日 | 阪神・淡路大震災。東灘区は行政区単位で最大の1,470人の死者を記録 |
| 1995年3月17日 | 震災復興市街地再開発事業として六甲道駅南地区・新長田駅南地区を都市計画決定 |
| 震災後 | 森南第一・森南第二・森南第三で震災復興土地区画整理事業を施行 |
| 1996年4月 | 「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」制定(2022年4月一部改正) |
| 2004年 | 神戸市が夜間景観計画を策定 |
| 2015年(平成27年)5月 | 神戸市のWeb版ハザードマップが公開される |
| 2021年 | 神戸市の景観の基本計画を大幅改定 |
| 2023年3月 | 1000年に一度の確率で発生する津波の対策が完了(神戸市) |
| 2023年6月1日 | 全市的な用途地域見直しを施行(駅周辺の容積率200%→300%など) |
| 2024年度 | 神戸市が「坂のまち神戸プロジェクト」を開始 |
| 2025年(令和7年)10月1日 | 令和7年国勢調査。神戸市の人口1,497,630人(前回比 −27,522人・−1.8%)で150万人割れ。 増加したのは中央区・兵庫区・灘区の3区のみ |
| 2025年12月8日 | 神戸市の地区計画が95地区・約3,697.8haに(時点) |
| 2026年4月1日 | 新築住宅の固定資産税減額措置の床面積要件が「40㎡以上240㎡以下」に変更 |
| 2026年度 | 神戸市立小学校の給食が無償化(中学校は1食170円で有償・助成あり) |
| 2026年4月1日 | 国の基準による保育所等利用待機児童数が5年連続ゼロ |
| 2026年5月1日 | 固定資産税関係証明の対面発行窓口が新長田合同庁舎に集約 |
| 2026年6月1日 | まちづくり協定の締結が20地区に(時点) |
| 未定 | 大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド北〜駒栄・14.5km)。完成時期は未定と神戸市が明記 |
※東灘区の区の花「梅」の制定年、区の面積、各区の設置年に関する神戸市全体の資料、 神戸市の市名の由来は、いずれも確認できていません(未取得)。 本ページでは推測による説明を載せていません。 出典:神戸市東灘区「東灘区の歴史」 //www.city.kobe.lg.jp/b07715/kuyakusho/higashinadaku/shoukai/shoukai/history_01/index.html / 東灘区「区の紹介」 //www.city.kobe.lg.jp/b07715/kuyakusho/higashinadaku/shoukai/shoukai/index.html / 神戸市「神戸市域の変遷」 //www.city.kobe.lg.jp/a89138/shise/about/energy/rekishi.html / 神戸市「震災復興土地区画整理事業」 //www.city.kobe.lg.jp/a13150/kukakuseiri/shinsaifukkoutochikukakuseirijigyou.html
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12神戸市東灘区の不動産購入に関する記事
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区ごとの地価・人口・制度を横並びで比較したい方は【大阪市24区】エリア比較ハブ/【神戸市】9区の比較ページをご覧ください。
13神戸市東灘区の不動産購入 よくある質問
神戸市東灘区で本当に仲介手数料は0円になりますか?
はい。ネットに掲載されている神戸市東灘区の物件は、原則どこの会社が広告しているものでも、家タダを通してご購入いただければ買主様の仲介手数料は0円です。宅地建物取引業法第46条にもとづく報酬額告示は報酬の上限を定めたもので、下限の定めはありません。つまり「これ以上もらってはいけない」という天井は法律で決まっていますが、「これだけはもらわなければならない」という床は決まっていない、ということです。家タダは売主様側からの報酬だけで成立する形に取引を組み立てているため、買主様からいただかなくても事業として成り立ちます。東灘区の成約中央値(マンション2,900万円・戸建4,750万円)で計算すると、仲介手数料の上限額は102万3,000円・163万3,500円。町丁目別でいちばん高い住吉本町の5,100万円なら174万9,000円です。これがまるごと0円になります。東灘区は兵庫県内40市区町村で住宅地の平均価格が3位という価格帯なので、手数料の絶対額そのものが大きくなります。物件URLをLINEでお送りいただければ、その場で対象かどうかを無料でお答えします。
神戸市東灘区の住宅の相場はいくらくらいですか?
国土交通省 不動産情報ライブラリの成約価格情報(直近4四半期・731件)では、マンションの成約中央値が2,900万円(571件・平均専有75㎡・平均築1993年)、戸建が4,750万円(160件・平均延床118㎡・平均築2005年)です。成約の約78%がマンションで、2,000万円台後半から3,000万円台が中心価格帯の区だと言えます。駅別では御影(阪急)4,300万円(104件)、摂津本山4,100万円(73件)、住吉3,350万円(120件・区内最多)、アイランド北口3,200万円(50件)、魚崎3,100万円(63件)、深江2,100万円(52件)。町丁目別では住吉本町5,100万円(27件)が最も高く、深江南町2,250万円(38件)が最も安くなっています。土地の値段は令和8年地価公示で1㎡あたり平均354,575円(住宅地33地点)、前年比+4.7%。商業地は6地点平均561,000円(+6.6%)、工業地は5地点平均151,400円(+14.1%)です。なお成約価格情報には「土地のみ」の区分が存在しないため、土地単独の成約中央値はお答えできません。
神戸市東灘区で地価がいちばん高いエリアと安いエリアはどこですか?
令和8年地価公示の住宅地33地点で見ると、最も高い標準地は御影郡家二丁目305番6の695,000円/㎡(前年比+7.8%)、最も安い標準地は住吉山手九丁目1564番4の96,000円/㎡(0.0%)です。差は7.2倍。ただしここが東灘区でいちばん誤解されやすいところです。安いほうから5地点(住吉山手九丁目96,000円/住吉台115,000円/森北町七丁目134,000円/西岡本七丁目161,000円/鴨子ケ原三丁目179,000円)は、いずれも浜手ではなく山側です。浜手側で最も安い御影本町三丁目でも209,000円/㎡で、上の5地点より高い。東灘区は「山手が高くて浜手が安い」という読み方が成立しない区です。さらに同じ町名でも丁目で変わります。住吉山手は三丁目338,000円/㎡に対し九丁目96,000円/㎡で3.5倍、西岡本は五丁目453,000円/㎡に対し七丁目161,000円/㎡で2.8倍、森北町は六丁目247,000円/㎡に対し七丁目134,000円/㎡で1.8倍。町名だけで相場を判断しないでください。
東灘区の土地は、なぜ同じ区内で7倍も違うのですか?
市が理由を説明している資料はありませんので、断定はしません。そのうえで、公的なデータから読み取れることを書きます。第一に、東灘区は六甲山系の山麓から大阪湾の人工島(六甲アイランド)までが区域で、区公式も「海と山に囲まれ」と記しています。南北に地形の差があります。第二に、鉄道3線(JR・阪急・阪神)はいずれも東西方向に走っており、南北には走っていません。地価の上位(御影郡家二丁目695,000円/岡本二丁目651,000円/住吉本町一丁目600,000円)はいずれも阪急・JRの駅周辺で、下位5地点のある町丁目は成約件数の上位8町丁目に1つも入っていません。第三に、六甲山系については神戸市の都市計画区域マスタープランが「良好な緑地環境や風致の保全・育成」をはかり、六甲山系南側の市街地に面する斜面を「防砂の施設」として都市計画決定していると記しています。第四に、東部山麓住宅地景観ガイドラインが「相続などをきっかけに土地や建物が処分され、良好なまちなみが失われてしまうケースも増えている」と課題を示しています。こうした条件が重なった結果が7.2倍である、という構図で説明できます。
東灘区の土砂災害・津波のリスクはどうですか?
兵庫県の「令和8年6月30日現在の指定状況」によると、東灘区の土砂災害警戒区域(イエローゾーン)は計137箇所(急傾斜地の崩壊117・土石流19・地すべり1)。これは神戸市9区のなかでは兵庫区の122箇所に次いで2番目に少ない水準で、北区858箇所の約6分の1です。ただし土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の箇所数は未取得で、区内のどこに分布しているかも確認できていません。指定しているのは神戸市ではなく兵庫県です。なお神戸市は「現在、神戸市内には地すべりのレッドゾーンの指定はありません」と明記しています。津波については、神戸市が「1000年に一度の確率で発生する津波の対策が、2023年3月に完了しています」と公表しており、防潮堤を「粘り強い」構造に整備したと記しています。津波浸水想定区域があるのは東灘・灘・中央・兵庫・長田・須磨・垂水の7区で、東灘区は含まれます(北区・西区は浸水しないと見込まれています)。区内の津波・高潮・洪水の浸水想定の具体値は未取得ですので、神戸市のWeb版ハザードマップで、土砂災害・水害ハザードマップと高潮ハザードマップの両方を住所単位でご確認ください。
神戸市に学校選択制はありますか?
正直に申し上げると、確認できていません。神戸市の「指定学校の変更・区域外就学」のページには、「学校選択制」という語が一度も登場しません。実施しているという記載も、実施していないという記載も、市の公式本文からは見つけられませんでした。そのため本ページでは「神戸市は学校選択制を実施していません」とは書いていません。実在が確認できたのは、①指定学校の変更 ②区域外就学 ③小規模特認校 の3つの制度です。指定学校の変更は7分類の事由が公表されており、とくに「2 転居に伴う理由」は家を買う方に直接関係します。「1年以内に転居が確実な場合」は建築確認書・売買契約書・賃貸借契約書等の写しを添えて申請でき、「新築・増改築により一時的に移った場合」は入居の日まで従前校に通えます。申請時期は「翌年4月に小学1年生になる方は10月以降に、中学1年生になる方は11月以降に」。また神戸市には「当分の間、指定学校の変更を認める地区を定める要綱」があり、特定の地区では指定校以外を選べますが、東灘区内の該当地区名は未取得です。最終的な判断は神戸市教育委員会にご確認ください。
神戸市の給食は無償ですか?
小学校だけです。中学校は有償です。ここは混同されやすいので正確に書きます。神戸市は「2026年度、保護者の経済的負担を軽減し、子育て支援を推進するため、市立小学校・義務教育学校(前期課程)・特別支援学校(小学部)の学校給食を、従来の量と質を維持したまま、公費負担により無償化します」「これらの学校の保護者からは学校給食費を徴収しません」と明記しています。一方、中学校は「生徒:1食あたり170円(牛乳代30円を含む)」。年間の徴収額として市が示している例は31,230円で、9期に分割して納付します。ただし市は「子育て世帯の経済的負担軽減を図るため給食費の助成をしています」とも記しています。お子様が小学生から中学生に上がるタイミングで、家計の前提が変わります。住宅ローンの返済計画を立てるときに覚えておく価値があります。なお神戸市のこども医療費助成は0歳〜高校3年生・所得制限なしで、0〜2歳は通院・入院とも自己負担なし、3歳〜高校生の通院は2割負担で1日最大400円を月2回まで(3回目以降は自己負担なし)です。
東灘区にも市街化調整区域はありますか?都市計画税はかかりますか?
東灘区内の市街化調整区域の有無・分布は、確認できていません(未取得)。神戸市は区別の市街化区域・市街化調整区域の面積を公表しておらず、区域区分は計画図(図面)で示される仕組みだからです。推測では書きません。市全体では都市計画区域 約55,730haのうち、市街化区域が約20,244ha(36%)、市街化調整区域が約35,486ha(64%)。市域の3分の2が市街化調整区域という、政令指定都市としては例外的な構造です。ただし市の都市計画区域マスタープランは、調整区域が主に六甲山系および北側山地と北区・西区の農村地域に分布すると記しています。都市計画税(0.3%)が課されるのは市街化区域内の土地・家屋のみで、市街化区域なら固定資産税1.4%と合わせて合計1.7%です(この1.7%は当方の合算で、神戸市が1本で公表している数字ではありません)。個別の物件がどちらの区域かは、神戸市の「都市計画情報検索」または神戸市情報マップ、あるいは重要事項説明書でご確認ください。
六甲道・六甲・摩耶の物件は東灘区ですか?
いいえ、いずれも灘区です。神戸市の「自転車等放置禁止区域」一覧は駅を所在区ごとに分けて掲載している市の一次情報で、これによるとJR六甲道・阪急六甲・JR摩耶・阪急王子公園・阪神新在家・阪神大石・阪神岩屋・JR灘は灘区、JR甲南山手・JR摂津本山・JR住吉・阪急岡本・阪急御影・阪神深江・阪神青木・阪神魚崎・阪神御影は東灘区です。「六甲」を冠する駅は灘区、「御影・住吉・岡本」は東灘区という切り分けになります。ところが「六甲アイランド」は東灘区です。名前は似ていますが、灘区の六甲(山手の住宅地)と東灘区の六甲アイランド(人工島)はまったく別の場所ですのでご注意ください。三宮・元町・神戸の3駅はいずれも中央区です。また東灘区には「阪急御影」と「阪神御影」の2つの御影駅があり、位置が大きく異なります(阪急御影は山手、阪神御影は浜手寄り)。成約価格情報の「御影(阪急)4,300万円」は阪急側の数字ですので、広告の「御影駅徒歩○分」がどちらかは必ずご確認ください。
神戸市東灘区で買うとき、家タダに頼むデメリットはありますか?
正直にお伝えすると、あります。第一に、売主様側からの報酬だけで成立する形に組み立てるため、物件や取引条件によっては対象外になる場合があります(売主が仲介手数料を支払わない取引など)。すべての物件で0円になるとお約束はできません。第二に、仲介手数料が0円でも、登記費用・ローン関連費用・固定資産税および都市計画税の精算金・火災保険料などの実費はかかります。固定資産税・都市計画税は賦課期日(毎年1月1日)現在の所有者に課税される税で、年の途中の売買では日割り精算が商慣習となっており、これは決済時に必要な実費です。第三に、東灘区固有のコストです。市街化区域内であれば固定資産税1.4%+都市計画税0.3%がかかり、東灘区は兵庫県内40市区町村で住宅地の平均価格が3位という水準ですので、課税標準額そのものが高くなり、毎年の保有コストの絶対額は県内でも上位になります。「手数料が0円だから総額が安い」という話ではありません。さらに東灘区は地区計画7地区、土砂災害警戒区域137箇所、津波浸水想定区域のある区で、同じ町名でも丁目で単価が3.5倍変わる区です。家タダはこうした調査を契約前に無料で行いますが、調査の結果、購入をおすすめしないという結論になることもあります。対象になるかどうかは物件URLをお送りいただければその場で無料で診断しますので、まずはご相談ください。
神戸市東灘区の物件、その価格で買って大丈夫ですか?
神戸市東灘区は、六甲山系の山麓から大阪湾の人工島まで、南北に連続した区域を持つ区です。住宅地の公示価格は1㎡あたり平均354,575円(33地点)、前年比+4.7%で兵庫県内40市区町村のうち3位。その内側は、最高695,000円/㎡(御影郡家二丁目)から最低96,000円/㎡(住吉山手九丁目)まで7.2倍開いています。しかも安いほうの5地点は浜手ではなく山側で、住吉山手は同じ町名のなかで三丁目と九丁目が3.5倍。町名だけを見て相場を判断すると、確実に外れる区です。何丁目か。どの駅から歩けるか(阪急御影と阪神御影は別の駅です)。土砂災害警戒区域137箇所にかかっていないか。地区計画7地区のどれかに入っていないか。津波・高潮のハザードマップでその住所がどう評価されているか。隣地の現況は何か(魚崎南町のように住宅地と工業地の標準地が同じ町丁目に並ぶ区域があります)。物件情報の1行だけでは判断できません。家タダでは、こうした調査をすべて契約前に無料で行ったうえで、買主様の仲介手数料0円でお引き渡しまで進めます。東灘区の成約中央値(マンション2,900万円・戸建4,750万円)なら、1件あたり102万3,000円〜163万3,500円の差です。気になる物件のURLをLINEでお送りください。
14本ページで使用した出典(すべて公的一次情報)
当ページに掲載した数値は、すべて以下の公的機関の公表資料にもとづいています。基準日も併せてご確認ください。
- 神戸市「区別の人口・世帯数(住民基本台帳)」(2026年3月現在)
- 神戸市「令和7年国勢調査 速報」(令和7年10月1日現在/1,497,630人・766,349世帯(2026年7月10日公表))
- 神戸市東灘区「東灘区の歴史」(1950年4月1日区制施行/阪神・淡路大震災で行政区単位最大の1,470人の死者)
- 神戸市東灘区「区の紹介」(「三宮まで15分、梅田まで30分」/灘五郷の魚崎郷・御影郷)
- 神戸市東灘区「区役所へのアクセス」(住吉東町5丁目2番1号)
- 神戸市東灘区「いいことぜんぶ東灘(エリアガイドブック)」(住吉・岡本/甲南山手・深江・青木/御影・魚崎・六甲アイランドの3エリア)
- 神戸市「神戸市域の変遷」(1889年4月1日市制施行・約21km²/28町村と合併/現在557.02km²)
- 神戸市「区域区分(線引き)」PDF(都市計画区域55,730ha/市街化区域20,244ha(36%)/市街化調整区域35,486ha(64%))
- 神戸市 都市計画区域マスタープラン(六甲山系南側の斜面を防砂の施設として都市計画決定)
- 神戸市「線引きの見直し方針」(第9回線引き見直し)
- 神戸市「用途地域・高度地区」(全市見直しは1973〜2022年の計9回)
- 神戸市「用途地域の見直し」(直近の全市見直しは2023年6月1日施行)
- 神戸市「用途地域見直しのねらい」PDF(駅周辺の容積率200%→300%など)
- 神戸市「都市計画総括図等(面積一覧)」PDF(2025年12月8日現在。用途地域別内訳は抽出の確度不足のため本ページ未掲載)
- 神戸市「地区計画」(全市95地区・約3,697.8ha/東灘区は7地区)
- 神戸市「まちづくり協定」(まちづくり条例1981年12月制定/20地区(2026年6月1日現在))
- 神戸市「人と自然との共生ゾーン」(1996年4月制定・2022年4月一部改正/農村用途区域17,935ha(2023年12月現在))
- 神戸市「人と自然との共生ゾーンの指定等に関する条例」本文PDF
- 神戸市「市街化調整区域内の建築・開発」(「開発行為や建築行為が制限されている」)
- 神戸市「都市計画情報検索」
- 神戸市情報マップ(Web GIS)
- 神戸市「都市計画税」(税率0.3%/市街化区域のみ)
- 神戸市「固定資産税」(賦課期日1月1日)
- 神戸市「償却資産(固定資産税の税率1.4%)」(税率1.4%/償却資産の免税点150万円未満)
- 神戸市「住宅用地の課税標準の特例」(小規模住宅用地は固定1/6・都計1/3)
- 神戸市「新築住宅に対する減額措置」(2026年4月1日以降の新築は床面積40〜240㎡)
- 神戸市「長寿命化の大規模修繕工事をした分譲マンションへの減額措置」
- 神戸市「市税の年間スケジュール」(2026年度の納期限(第4期は2027年3月1日))
- 神戸市「固定資産税関係証明の窓口集約」(2026年5月1日から新長田合同庁舎に集約)
- 神戸市「固定資産税路線価図」
- 神戸市「指定学校の変更・区域外就学」(「学校選択制」の語は市公式に無く、実施の有無は未取得)
- 神戸市「指定学校の変更について」PDF(7分類16項目の事由)
- 神戸市「当分の間指定学校の変更を認める地区」PDF(東灘区内の該当地区名は未取得)
- 神戸市「小規模特認校」(六甲山小学校・藍那小学校/目的に「複式学級の解消」)
- 神戸市「市立小学校一覧」(東灘区は14校)
- 神戸市「市立中学校一覧」(東灘区は7校)
- 神戸市「学校給食費」(2026年度 小学校は無償化/中学校は1食170円)
- 神戸市「就学援助」(2026年度)
- 神戸市「こども医療費助成」(0歳〜高校3年生・所得制限なし(2026年7月1日更新))
- 神戸市「保育所等利用待機児童数」(2026年4月1日時点で5年連続ゼロ)
- 神戸市「小中学校の規模適正化」
- 兵庫県「令和8年6月30日現在の土砂災害警戒区域等の指定状況」PDF(東灘区137箇所(急傾斜117・土石流19・地すべり1))
- 神戸市「土砂災害警戒区域等」(指定主体は兵庫県/市内に地すべりのレッドゾーンは無し)
- 神戸市「津波対策の完了について」(2023年3月完了/浸水想定区域のあるのは7区)
- 神戸市「ハザードマップ」(平成27年5月から公開)
- 神戸市 土砂災害・水害ハザードマップ
- 神戸市 高潮ハザードマップ
- 東灘区版「くらしの防災ガイド」PDF(地図面は2026年3月更新)
- 神戸市「震災復興土地区画整理事業」(13地区/森南第一・第二・第三が東灘区)
- 神戸市「震災復興市街地再開発事業」(1995年3月17日 都市計画決定(六甲道駅南・新長田駅南))
- 神戸市「東部山麓住宅地景観ガイドライン」(対象は「東灘区から中央区に広がる」山麓住宅地)
- 神戸市「景観のルール(都市景観条例)」(1978年制定/2021年大幅改定)
- 神戸市「大阪湾岸道路西伸部」(六甲アイランド北〜駒栄14.5km/完成時期未定)
- 神戸市「道路ネットワーク」(阪神高速神戸線(京橋〜摩耶)の渋滞)
- 神戸市「みちづくり計画」(令和4年5月改定)
- 神戸市「自転車等放置禁止区域」(駅の所在区を区別に掲載した市公式の一次情報)
- 神戸市「市営自転車駐車場一覧」(同上)
- 神戸市「坂のまち神戸プロジェクト」(2024年度開始)
- 神戸市統計書 2025年版(区別面積・駅別乗車人員はExcel提供のため未取得)
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ(成約価格情報・不動産取引価格情報)(2025年第2四半期〜2026年第1四半期・神戸市東灘区731件)
- 国土交通省 地価公示 鑑定評価書情報(令和8年・令和7年)(価格時点 令和8年1月1日/住宅地33地点・商業地6地点・工業地5地点)
- 国土地理院 地理院タイル(国土画像情報 第1期/全国最新写真)